学生街の四季 再会 [学生街の四季]
智子を絡めたショーとストーリは次のリンクをご覧ください。
Take to The Westward Passage !!
健作は山陽道からしまなみ海道へと車を進めると、一路今治目指して走っていた。
カーステレオからは、浜田省吾の「夏の終わり」が流れている。
脳裏には、以前シンガポール大学の学生とマレー半島のジャングルから街に出てきて、マラッカ海峡に浮かぶ島、ペナン島へと渡ったときのことが浮かんできた。
あの時も、今日のように日差しは突き刺すように強く、蒸し暑い日だった。
透き通るようなエメラルドブルーの海に浮かぶ全長13.5kmの橋を、学生4人を乗せた車は疾走していく。
雲ひとつ無い真っ青な空に誘われて窓を開けると、熱風とともにさわやかな潮の香りが車内を駆け抜けた。
「健作、どうかしたの?」
健作の隣に座っている陳淑雲は、健作を覗き込んだ。
「あ、いや・・・なんでもないよ。ちょっと窓を開けてみただけ。」
橋を渡り終えると、車はヨーロッパの街並を彷彿とさせるジョージタウンへと入っていった。
あの時と同じように窓を開けると、熱風とともにさわやかな潮の香りが車内を満たした。
来島海峡の上に広がる真っ青な空に陳淑雲の笑顔が浮かぶと、彼女の思いに応えられなかった苦い思いがこみ上げてくると同時に、先日熱海まで来てくれた智子がその後送ってきたメールに返信していないことを思い出した。
やがて橋を渡り終えると車は今治の街へと入り、程なくして今治国際ホテルに到着した。
車を駐車場に止めると、バック一つを手に取ると車を降りた。
空調の効いた車内から外に出ると、蒸し暑い空気が身体にまとわりつく。
ロビーに入ると、やや薄暗い照明とひんやりした空調が、真夏の強い日差しと戦ってきた身体にはとても優しく包み込んでくれた。
ロビーのあちこちに今治造船で竣工した色々な船の模型がガラスケースの中で、存在感を示している。
いずれも1m以上ある大型の船舶模型は、見ごたえ十分だ。
大理石の床は、ぴかぴかに磨かれ高級感溢れる雰囲気に、14日間野営生活を送ってきた健作は一瞬躊躇した。
「汚い、臭い、無精ひげ・・・まるで場違いだ。
すぐにつまみ出されるのではないか・・・」
泥だらけの靴に、汗臭いTシャツとハーフパンツのいでたちは、まるでホテルにそぐわない。
しばらく躊躇したが、意を決するとフロントに向かった。
フロントの男性はさわやかな笑顔で迎え入れてくれた。
「健作です。今晩一泊予約をお願いしていたものです。」
「健作さま、はいお待ちしておりました。」
フロントマンは笑みを絶やさず、健作を特上のお客さまとして接客してくれている。
「健作さま、こちらのカードにご記入ください。」
出されたカードに記入し始めると、どこからともなく泰山木の香りがしてきた。
「ディオリッシモ!?・・・」
健作は顔を上げて隣に目をやると、なんとそこには智子がチェックインの手続きを始めたところだった。
「と、智子さん!」
思わず健作の口から声が出ると、智子は健作の方に顔を目を見開いて驚いた。
「あら、健作さん!!
どうしてこちらにいらっしゃるんですか?」
「えっ、智子さんこそどうして・・・?」
二人はチェックインの手続きを終えると、ロビーのソファーに腰掛けた。
「僕は山口で2週間野営生活をした後、明日今治の友人たちのと会うために来たんです。
智子さんはお仕事ですか?」
「私は四国にフライトがあると、お休みをそれにあわせて、四国八十八箇所をめぐっているんです。
今回は仙遊寺にお参りしようと思って、今治にやってきました。」
「あ、あの、先日は熱海にお越しいただきありがとうございました。
また、メールをいただきながら返信もせず、大変失礼しました。」
健作が恐縮して身体をこわばらせながら話すと、智子は優しさ溢れる笑みを浮かべて健作を見つめた。
智子の大きな瞳は、人を、いや健作を惹きつける思議な力を持っている。
「いえいえ、こちらこそ、先日はご連絡もせずに突然伺って、大変失礼しました。」
「智子さん、もしご予定が無ければ、夕食でもご一緒にどうですか?」
健作は、自分の口から飛び出した言葉に驚き、頭の中は真っ白になった。
「私は特に予定はありません。
喜んでご一緒させていただきます。」
「で、では、6時30分にロビーで待ち合わせということで。」
一緒にエレベーターに乗り込むと、智子は14階で、健作は18階で降りると部屋に向かった。
健作の部屋は18階の海側の部屋で、とても広い快適な部屋だった。
この 2週間ちょっと、一方的にアップするばかりなのに、ご訪問いただき、応援のniceやコメントを頂き、胸の熱くなる思いで一杯です。
明日からは、ぼちぼち訪問を再開させていただきます。
昨日は、今治を14時半に出発すると、途中静岡で一息いれて、帰宅したのが日付が変わって午前2時でした。11時間も車を運転していると、様々な思いが頭の中をよぎるものですね。
その中で思いついたお話しを書き上げてみました。前回のつづきでありながら、季節がちょっと逆戻りしてしまったのはご愛嬌(^^)
それでは改めて今後ともよろしくお願いいたします。
無事に帰って来られたのでしょうか?お帰りなさいです
by アニ (2013-08-12 00:53)
駅員3さん、
本当に、お疲れさまでした。
by kiyo (2013-08-12 00:53)
無事に東京に戻られたのですね^^
本当にお疲れ様でした!
by 銀狼 (2013-08-12 00:55)
おはようございます
おかえりなさい、駅員3さん!
お疲れ様でした。今日はゆっくりと休養してくださいね。
by すー (2013-08-12 04:33)
お疲れさまでした。
若さ発揮長距離運転でしたね、写真は車運転しながらの
撮影でしょうか?
by katakiyo (2013-08-12 05:28)
11時間の運転、お疲れさまでした!
自分も久~しぶりに福岡まで車で帰りたいなぁと思ってます
学生の頃は良く車で福岡まで帰ってました
20時間以上かけて...
中国自動車道も開通してなかったので... ^^;
by haku (2013-08-12 08:08)
ホテルのロビーへ一歩足を踏み入れた健作さん、描写がリアル。(笑)
本当にお疲れ様でした。暑さの中でたいへんでしたね。
でも東京へ帰られても猛暑でしょう?ご自愛ください。
by orange (2013-08-12 08:24)
智子さんと、楽しい夕食を。。。
話しの中に、入り込んでしまいました。。(^0^)
ユックリと、休んで下さい。。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2013-08-12 09:35)
お疲れさまでした。
by 空楽 (2013-08-12 09:50)
お疲れさまです!
先ずは、ゆっくり体を休めてください!!
by FTドルフィン (2013-08-12 09:52)
本当にお疲れさまでした!今いる現実と空想とのコラボが何とも良い感じです。お疲れを癒してくださいね。。
by キャスリーン・ケリー (2013-08-12 13:12)
長距離の運転、お疲れ様でございます。^^;
by ソニックマイヅル (2013-08-12 15:22)
帰りは四国今治経由ですか
お疲れ様でした、溜まった早く疲れをとってください
by koh925 (2013-08-12 17:14)
お帰りなさい。
お疲れ様でした。
by ゆうみ (2013-08-12 17:55)
お疲れ様です(^^ゞ
by DON (2013-08-12 19:06)
今治にも行かれたんですね
この夏 四国に行く予定ですが
そっちは回れないんだよな~
by (。・_・。)2k (2013-08-12 20:02)
お帰りなさい。
今治に寄って来られたんですよね。
ねねさんたち元気でしたか?^^
いつか大阪にも寄って下さいね。(笑)
by hatumi30331 (2013-08-12 20:47)
おぉ、今治でも智子さんと偶然の再会^m^
これからの展開がとっても楽しみです^^
長距離運転、お疲れ様でした<(_ _)>
by ニッキー (2013-08-12 21:56)
お疲れ様でした.
私も明日か明後日の夜に,
九州へ向けて車を走らせる予定です.
途中で渋滞に引っかからないといいですが・・・
by 唐津っ子 (2013-08-12 22:11)
健作君は今治に寄って、智子さんに会って・・・帰ってこられたんですね。
本当にお疲れ様でした。
by sig (2013-08-12 22:49)
私が“12月のしまなみ海道”を走った時のBGMは、大黒摩季と小柳ゆきだったかな?!
by 風来鶏 (2013-08-13 09:54)
今晩は。
東京にもどられて。おつかりさまでした。
by 夏炉冬扇 (2013-08-13 19:16)
うお!まさかの今治での再会ですか!
出会いは突然来るから面白い^^
さて続きを見てみよう(時系列順に読むことにします^^
by ちょいのり (2013-08-14 10:54)
超ロングドライブ、無事終えられてよかったです。
お気に入りの車での運転、苦にならなかったのかもしれませんね。
by そらへい (2013-08-15 17:42)
お疲れ様です。
へそ曲がり♪なもんで、例によってのnice!押し逃げ&遡りコメントにて失礼いたしました。
今治にも寄ったんですね・・・いいなぁ。。
by me-co (2013-08-17 18:29)