学生街の四季 第2章《夏》 7 [学生街の四季]
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健作はボストンバッグと楽器のケースをそれぞれの手に持つと、浜松町から東京モノレールに乗り込んだ。
モノレールは、意外と振動が大きくよく揺れる。
やがてモノレールは、空港の南端をぐるっと回りこんで走っていく。
滑走路に目をやると離陸準備をしている旅客機が見える。
上空には、着陸態勢に入った小さい飛行機がまるでラジコンの飛行機のようにゆっくり飛んでいる。
「もっと見ていたい。」という気持ちも虚しく、モノレールは地下に潜ってしまう。
程なくしてモノレールは、終点の羽田空港第2ビル駅のホームへと滑り込んだ。
健作はモノレールを降りると、修と智子との待ち合わせ場所であるANAの出発カウンターへと長いエスカレーターに乗り込んだ。
時計を見ると、待ち合わせの時間に20分の余裕を持って到着した。
座る場所を探して辺りを見渡すと、遠くで手を振っている修の姿が見えた。
「健作、遅かったじゃないか!!」
修は笑いながら健作の肩をたたいた。
「なんだ、お前こそ集合時間前にくるなんて、どういう風の吹き回しだよ。」
健作はそういうと笑った。
「智子さん、こんにちは。修がこんなに早くこれたのは、智子さんのお力ですね!!」
智子は隣の修の顔を覗き込むと、健作の方を向いて笑いながら答えた。
「はい、もちろんです。」
修はちょっと頬を膨らませると、智子と健作の間に割って入ってきた。
「ところでさ、健作は京急で着たんだろ?」
「いや、モノレールだよ。京急は景色がよくないし、空港の手前から地下に潜っちゃうだろ。
京急で来る方が早いかもしれないけど、モノレールは運河沿いの高いところを走るから、景色が好きなんだよね。
整備場駅を出るとちょこっと地下を走るけど、再び地上に出て空港の南端をぐるっと回るときに、飛行場の様子が良く見えるんだ。」
「なんだ、健作は『オコチャマ』っていうことだ!!」
「そういうお前は、どっちできたんだ?!」
「ははは、俺もお前と同じさ!!」
3人は大笑いをした。
「さぁて、チェックインするか。」と健作は促すと、カウンターへ向かいチケットを三枚取り出すと、窓側から三席を取った。
「はい、それじゃあ窓側に智子さん、それから修、通路側が俺だ。」
というと健作はチケットを渡した。
3人はセキュリティーを抜けると、登場口の近くに座った。
登場開始までは、まだ30分ほど時間がある。
智子は席を立って何処かに歩み去ると、戻ってきたときには、トレーに紙製のカップを3つ乗せていた。
「はい、コーヒーをどうぞ。一足先に帰った典子はどうしてるのかしら?」
「おっ、サンキュートモちゃん!」
「智子さん、ありがとう。
さっきノリにメールしたら、空港で待っててくれるって!!」
「あーよかった。空港出たら見知らぬところで三人どうやって宜野湾までいくのか心配だったんだ!!」
「実はノリだけじゃなくて、ノリのお父さんがダイビングショップで使ってる送迎用のワンボックスカーで迎えに来てくれるんだって!」
「えっ、そうなんだ。なんか俺緊張しちゃうな。」
搭乗が始まると、飛行機に乗り込んでボストンバックなどを頭上にしまい、健作は楽器ケースを足元の前の座席の下に押し込んだ。
やがて飛行機は移動を開始し、誘導路から滑走路に入ると一気に加速した。
最初は背中に押し付けられていた身体は、やがて下に引っ張られるような感覚を覚えると、窓の外の地上はどんどん小さくなっていく。
飛行機は、蒼穹の彼方へと吸い込まれていくように上昇を続けると、窓の外の空は真っ青に限りなく透き通っていた。
一ヶ月以上空いてしまいました。
季節はもう秋色に染まり始めていますね。
でも物語は、まだ夏真っ盛り!!
秋はもう少し先になりそうです。
秋には一度沖縄に行ってこようと画策していたのですが、先日キャンセルしてしまったのは既にお話したとおりです。
なので、しばらく沖縄の話しなのに沖縄の写真は・・・昔撮った写真の整理が悪くて、あまりお見せ出来るものは無いと思います。
さて、次回からはいよいよ沖縄の地で物語りは進みます。
今日は押し逃げごめん!
by さきしなのてるりん (2012-09-24 00:20)
久々のお話ですね!^^
これから先の展開を楽しみに読ませて頂きます^^
by 銀狼 (2012-09-24 00:48)
ぐおおお!ひさしぶりにきましたね^^
オイラもモノレール派閥ですw
だって飛行場とか見たいんだもの~^^
ラジコン飛行機の比喩とか好きです☆
まさにそんな感じに思えますもの~^^
おっと、とうとう義理のお父様になっちゃいそうなパパさんとの出会いも待ってるとか気が気じゃないですねw
離陸時の表現はボクも実際に乗ってるイメージが沸いてきましたよ~^^
あの加速最高です!
by ちょいのり (2012-09-24 00:54)
久しぶりのシリーズですね。
続きを楽しみに待たれていたブロガーさんたちからの歓声が、聞こえるようです。(^_^)b
by tooshiba (2012-09-24 02:07)
凄く楽しみです♪
by カリメロ (2012-09-24 02:14)
おはようございます。
いつも読ませていただく度に・・・・
お仕事間違えたのでは?
と思いますね!!
by BPノスタルジックカーショー (2012-09-24 05:17)
朝晩すっかり冷え込んで秋ですね。
by pandan (2012-09-24 06:12)
おはようございます。
いよいよ沖縄ですね楽しみです・・・青空が懐かしくなる雨模様でした。
by YUTAじい (2012-09-24 07:05)
いよいよ、舞台が沖縄に映るんですね
楽しみに拝見します
by koh925 (2012-09-24 08:42)
おはようございます。朝晩が本当に涼しくなりましたね。昨日から寝る時は長パンツにしております。^^;
by ソニックマイヅル (2012-09-24 09:20)
秋の空気に入れ替わってきましたね^^)
そんなタイミングから真夏の沖縄のお話
GOODです(^w^)!!
by rtfk (2012-09-24 09:59)
駅員3さん、
待望の学生街の四季の続き、楽しみにしていました。
いよいよ、沖縄編も沖縄上陸しての展開が楽しみです。
いいなぁ、沖縄。
by kiyo (2012-09-24 10:20)
展開が面白いですね(^^)
次回作期待してます
by (。・_・。)2k (2012-09-24 12:16)
次は沖縄ですか?
楽しみです。^^
by hatumi30331 (2012-09-24 13:00)
沖縄の話楽しみです。
飛行機も乗りたいですね。
by yoko-minato (2012-09-24 16:52)
次はいよいよ沖縄編ですね^^
とても楽しみです(^^♪
真っ青な空と海・・・どんなに暑くても沖縄なら許せるのは何故でしょう^^;
by ニッキー (2012-09-24 17:35)
お迎えを緊張しながら待つんですね(笑)
沖縄、どんな展開に。。。^^
by 美美 (2012-09-24 18:30)
今回からは沖縄シリーズですか、沖縄か行ったことがないんです、孫たちでさえ行っているのにでも飛行機が怖いから駄目ですね。
陸続きでないと旅は出来ません後は船かな?
by 馬爺 (2012-09-24 19:00)
宜野湾と言えば、中学2年生の時宜野湾市の中学生がわが町(旧大井川町)にホームステイにやってきました。
我が家には泊りませんでしたが、近所の家に泊った中学生と一緒に朝のラジオ体操をやった記憶があります。
その時、彼等はパスポートを持っていました。
そう、沖縄が日本に返還される1年前の出来事です^^
by 風来鶏 (2012-09-24 19:21)
久々ですね~。
前の話忘れてたんで、思わず読み返しましたよ(笑)
沖縄は数年前に行きましたが・・・また行きたいなぁ・・・
by mk_papanero (2012-09-24 20:56)
nice、ありがとうございます。また遊びに来てくだされば幸い(^^*)。
by shula子 (2012-09-24 21:05)
沖縄は行ったことがありません。
話の展開とともに、沖縄がどのように登場するのか
楽しみです。
by そらへい (2012-09-24 21:43)
今日はいつもにも増して食い入るように読んでしまいました。
「運河沿いの高いところを走るから、景色が好きなんだ」私もです。
今日は試しに、と思い、京急ルートにしてみましたが><;..次から却下です。今日は、悔しいほどの青空でしたよ(笑)
またボチボチとupいたします。
色々とありがとうございました^^ 今後の展開を楽しみにしています!
by orange (2012-09-24 21:54)
読み逃げで出戻りました。へえ、小説ですか、知らなかった。ふーむ、文の書き方、勉強させてもらおっと。
by さきしなのてるりん (2012-09-25 19:50)