SSブログ

東京の坂と橋 四方山話57 つなぎの龍とお元気三猿、そして子宝・子育ての虎 [東京の坂と橋]

その昔、秩父札所十五番少林寺近くに、「天ヶ池」という池があった。
その池に棲みついた龍が暴れた際には、必ずこの彫刻の下に水溜りができていたことからこの彫り物の龍を鎖で繋ぎとめたところ、その後、龍は現れなくなったという。
秩父神社の東北(表鬼門)を守護する青龍こそ、彼の名工 左甚五郎の作と伝わっている。
27秩父神社.jpg
中央の青龍に寄ってみよう。
36秩父神社.jpg
鎖で繋ぎとめられているのがお判りだろうか。
反対側にも見事な青龍が佇んでいる。
32秩父神社.jpg
こちらは鎖でつなぎとめられてはいない。
青龍の下には、雉と三猿が彫られているが、この三猿にちょっと注目いただきたい。
29秩父神社.jpg
目をしっかり見開き、口を大きく開け、耳を澄ましているではないか。
通常の三猿(見ざる、言わざる、聴かざる)とは、全く逆である。
この三猿は、『お元気三猿』として親しまれているもので、「よく見て、よく聴いて、よく話そう」ということを表現している。
この三猿も非常に生き生きと見事に彫られているが、この三猿も左甚五郎の手によるものなのかは、分からない。
さて、ここ秩父神社にはもう一つ左甚五郎作と伝わっている彫刻がある。
それが、『子宝・子育て虎』だ。
35秩父神社.jpg
34秩父神社.jpg
ぐるっと見て回った中で、そのほかに目立った彫刻が次の梟だ。
37秩父神社.jpg
よく見ると、体は本殿の方を向いていて、頭を回転させて真北を向いている。
秩父神社の祭神である妙見様北極星を中心とした北辰北斗の星の信仰であり、この梟の見ている方角が北であることから、妙見様と縁の深い瑞鳥であるといわれている。
そのほか多くの見事な彫刻が施されているが、その中でも今日ご紹介させていただいたものが群を抜いているのではないだろうか。
今回この記事を書くにあたり、左甚五郎について調べてみると、意外な事実を知った。
以下、wikipediaからの抜粋である。

左 甚五郎(ひだり じんごろう、ひだの じんごろう)は江戸時代初期に活躍したとされる伝説的な彫刻職人。落語や講談で有名であり、左甚五郎作と伝えられる作品も各地にある。講談では地元の大工に腕の良さを妬まれて右腕を切り落とされたため、また、左利きであったために左という姓を名乗ったという説もある。
日光東照宮の眠り猫をはじめ、甚五郎作といわれる彫り物は全国各地に100ヶ所近くあり、その製作年間は安土桃山時代~江戸時代後期まで300年にも及び、出身地もさまざまであるので、左甚五郎とは一人ではなく各地で腕をふるった工匠たちの代名詞となっていたようである。

秩父市内を歩いてみると、こんなものが随所にあった。
30秩父神社.jpg
とても素敵な道標であるが、中央にはこんなかわいらしい彫刻があった。
31秩父神社.jpg
この可愛らしいお元気三猿は、「よく見て、よく聴いて、よく話そう」としている。
最後にこの前にもアップさせていただいたこの写真に乗って不思議の国にワープ!!
22秩父神社.jpg

nice!(162)  コメント(35)  トラックバック(0) 

nice! 162

コメント 35

銀狼

見事な彫刻ですねぇ^^
その迫力に惹き込まれてしまいます。。。
by 銀狼 (2012-09-13 01:50) 

ちょいのり

札所!
そういえば秩父の廃墟群に出向いた時に、何箇所か見受けました^^
ひとつも訪れては無いんですけどね^^;

by ちょいのり (2012-09-13 01:52) 

BPノスタルジックカーショー

おはようございます。

これはカラフルですね!!
by BPノスタルジックカーショー (2012-09-13 04:54) 

沈丁花

可愛い三猿・・・三猿にあやかりたいです〜(笑)
by 沈丁花 (2012-09-13 05:25) 

yoko-minato

左甚五郎についての解説になるほどと
納得しました。
秩父にもあるんですね~。
我が故郷の聖天様にも見猿、いわ猿、聞か猿の
彫り物があり、そういわれています。
by yoko-minato (2012-09-13 05:25) 

てんてん

すごい色彩ですね♪
by てんてん (2012-09-13 05:43) 

ryuyokaonhachioj

彫り物が素晴らしいです。左甚五郎作と言うので、
なるほどと、思いました。
by ryuyokaonhachioj (2012-09-13 06:39) 

YUTAじい

おはようございます。
秩父も札所廻りすると限がありませんね、距離が有るので。
by YUTAじい (2012-09-13 06:41) 

pandan

色彩もきれいですね〜
by pandan (2012-09-13 06:44) 

rtfk

見事な彫刻ですね~(^^)
あまりに見事なので彫刻の龍が現実に暴れるという
伝説が生まれたのでしょうか。。。
左甚五郎のお話 驚きです!!

by rtfk (2012-09-13 06:53) 

kuwachan

おはようございます。
色も鮮やかで素晴らしい彫刻ですね。
by kuwachan (2012-09-13 07:00) 

下総弾正くま

「一休さんの虎屏風」よろしく、彫り物の龍がホンモノに…ってことなんですね(・_・;)
お元気三猿は初めて聞きましたΦ(..)
by 下総弾正くま (2012-09-13 07:09) 

haku

左甚五郎作と言われる彫刻、
実物見た事がないですが、
写真で見ても見事ですねぇ!!
by haku (2012-09-13 07:29) 

koh925

20年ほど前に、3年間(春と秋)かけて秩父の札所をめぐりました
秩父神社にも行きましたが、その時は注意深く観察していません
何時もながら、駅員3さんの観察力には脱帽です
by koh925 (2012-09-13 08:37) 

ソニックマイヅル

秩父には是非一度訪れたいと思っております。好きなアーティストの出身地なんです。^^;
by ソニックマイヅル (2012-09-13 08:47) 

kiyo

駅員3さん、
秩父の龍は見事な彫り物ですね。
日光でも有名な左甚五郎作と言われれば、納得です。
今にも動き出しそうな躍動感に溢れています。
虎の彫り物の方も、精巧さに驚愕します。
拝見させていただいてありがとうございます。
いつか、見に行きたいと思いました。

by kiyo (2012-09-13 09:52) 

お茶屋

ワープな一枚☆かっこいいでっす!
by お茶屋 (2012-09-13 10:04) 

もみじ

よく見て よく聞いて よく話そう いい言葉ですね。秩父神社ごと社会に広めて欲しいです あの別のサルの時代は去る(笑 
by もみじ (2012-09-13 10:18) 

koume

色彩が鮮やかですね^^
見事な彫刻に見入ってしまいますね♪
by koume (2012-09-13 10:40) 

くまら

面白い彫刻ですね
こういうのぼーっと見てるの大好きです
虎・・・豹にも見えますね^^
by くまら (2012-09-13 11:09) 

さる1号

鎖で繋がれた龍、迫力ですね。本当に動き出すかも^^
反対側の龍は暴れなかったのかな。
by さる1号 (2012-09-13 12:49) 

ちょろっとぶぅ

ワープしそうになりました(^^;
by ちょろっとぶぅ (2012-09-13 13:06) 

美美

表情の豊かさがなんともいいですね~♪
色はあせないものなんですね^^
by 美美 (2012-09-13 13:11) 

キャスリーン・ケリー

本当に見事な彫刻です。こんなに生き生きとした彫刻を見たのは初めてかもしれません。
なるほど 左甚五郎とは代名詞にもなっていたんですね。。
by キャスリーン・ケリー (2012-09-13 13:30) 

hatumi30331

左甚五郎作・・・・けっこうありますよね。
私の近くの地域にもありますよ。
流れをくんでるとか、弟子の話しになると・・・・
多過ぎて大変です!(笑)
色の鮮やかさや、表現力はさすがですよね!^^
by hatumi30331 (2012-09-13 14:08) 

ニッキー

えぇ、左甚五郎さんって個人名だと思ってましたが、名工のグループ名だったとは(*_*)
でもこの青龍スゴイ迫力ですねぇ^^
グループ名でもやはり皆さんスゴイ腕をされてますよね(^_^)v
ますます秩父神社に行きたくなりました(^O^)
by ニッキー (2012-09-13 15:42) 

(。・_・。)2k

写真だけ見てると日光かと思いますね(^^)

by (。・_・。)2k (2012-09-13 16:46) 

POP

こんばんは。
お元気三猿、凄いです!!
秩父市内には、色々見所があるのですね。

by POP (2012-09-13 18:20) 

風来鶏

鎖で繋がれた青龍は、夜毎出歩かないためでしょうか?!
by 風来鶏 (2012-09-13 19:58) 

馬爺

秩父いいとこrですねこんな青龍この芽で実物を見てみたいですね。
3連休なので行ってみたいですが仕事が入っているんでなんと残念です。
by 馬爺 (2012-09-13 21:51) 

カリメロ

躍動感溢れる素晴らしい彫刻ですね^^
左甚五郎作、身近な神社等、今度から注意深く見てみますね。
by カリメロ (2012-09-13 23:25) 

orange

「よく見て、よく聴いて、よく話そう」庶民の側から見るとこれは大切なことでもあったのですね。身を守る時には「見ざる、聞かざる、言わざる」の方がよい時もあるのでしょうけど。どちらものバランスをとることが大切かな、と思いますが。
by orange (2012-09-14 09:28) 

sig

極彩色が色あせずによく残っているものですね。
by sig (2012-09-14 11:00) 

夏炉冬扇

今日は。
彫刻、彩色まであってなんともきれい★★★。
見てみたいです!
by 夏炉冬扇 (2012-09-14 14:37) 

そらへい

先日、日光東照宮をNHKがやってましたが
やはり似てますね。
by そらへい (2012-09-14 22:28) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0