プロフィールの写真 [我が愛しのWillys M38]
実はこの話題は以前にも取り上げたことのある話題です。
先日ある方から「プロフィールの写真はなんなの?」とのご質問をいただきました。
プロフィールの元になった写真とは違いますが、同じ日、同じ時刻に露出を変えて撮ったものが次の写真です。
これを見て何なのかお判りの方は通ですね。
夕日をバックにシルエットを撮ったものですが、日中撮った写真が次のものです。
そう、AMG M151A2とM416カーゴトレーラーです。
M416カーゴトレーラーは、それまでのMBやM38で引いていたカーゴトレーラーと違い、車幅の広くなったM151にあわせて、ワンサイズ大きくなっています。
実は、このカーゴトレーラーは、私がフルレストアしたものです。
2台のカーゴトレーラーの部品で、この1台を仕上げました。
もちろん塗装まで、私が行ないました。
フルレストア・・・といっても、バスタブ状の鋼鉄製の箱が、板バネを介して車軸とつながっているだけのきわめてシンプルな構造です。
苦労したところは、鋼板の腐食部分の補修と、完全にさび付いて固着したねじ類をどうやって外すかと言ったところでした。
塗料は自分で色を調合したため、写真では若干違うようにも見えますが、実物はきわめて自衛隊色に激似です。
もちろんエアブラシで塗装しています。
レストアは、まるで1/1のプラモデルのノリでした。
三菱でもカーゴトレーラーを作っていた時期がありますが、その三菱製とは決定的に違う点があります。
三菱のカーゴトレーラーは、後部に荷物の積み降ろし用のあおり・・・トラックの荷台のように下に開くようにハッチがついています。
ところが上の写真でおわかりのとおり、このトレーラーの後部(写真上部)にハッチは無く、荷物の積み降ろしを考えたら全く利便性を無視した作りになっています。
でもこれには深い意味があるんです。
野山を駆け抜けるJeepは、当然川も渡河します。
そこで、M38以降のJeepは完全防水性能を有しています。
写真を見てお判りの通り、このM151には給排気にシュノーケルをつけていますので、推進1.8mまで水没しても走行できます。
ところがカーゴトレーラーを渡河させる時は、水没させては大変!
荷物か濡れてしまいます
そこで、カーゴトレーラーを渡河させる時は、水に浮かべたんです。
だから、バスタブのようになっていたんですね。
もちろん水抜き用の穴はついていますが、普段はゴムのパッキンをばねで押し付けています。
このM151は第二世代のJeepともいわれていて、モノコックボディーで、前輪はダブルウィッシュボーンです。
高速安定性は良く、乗り心地もまずまずでした・・・といっても乗用車との比較ではなく、軍用車輛の比較においてですが。
この車は壊れたら「壊れた部分をまるごと取り替える」、「重症であれば捨ててくる」という使い捨て思想で作られた車ですから、今後維持管理が難しくなっていくことが予想されます。
通常米軍がこの手の車輛を払い下げるときには、ボディーを真っ二つに切り離して、車としての機能を失くしてスクラップとして払い下げられます。
写真のM151はノーカットボディーで、状態は非常に良好でした。
なぜノーカットボディーかというと、カンボジアで状態のいいものを見つけて持ってきたからです。
おそらくベトナム戦争の流れなんでしょうね。
だから熱帯地仕様のため、最初からヒーターがついていませんでした。
そこで、アメリカから純正部品のヒーターを取り寄せて取り付けたのも、今となっては懐かしい思い出です。
このブログを書くにあたって、最初はJeepのことを書き連ねていこうと思い、プロフィールの写真もM151にしたのでした。
こんばんは。
カーゴトレーラーをフルレストアされるとは!?
相当な知識と腕が無ければ絶対に無理です・・・
スゴイですね!?尊敬しますよ!!
by perseus (2010-11-13 02:30)
こんばんは、おはようございます!
なるほど、理解出来ました。
by YUTAじい (2010-11-13 02:46)
カーゴトレーラー、あると便利ですね。私も、ジムニー用に欲しいです。
by krause (2010-11-13 04:04)
おはようございます。
いやいやお勉強になりました。
この辺は未体験ゾーンです。
by BPノスタルジックカーショー (2010-11-13 05:07)
こういう車だったら、どんな野山でも駆け回ることができますね。
by manamana (2010-11-13 06:17)
おはようございます
ご自分でレストアされたんですね
すごいなぁ~
プロフィール画像の元画像、かっこいいですねぇ
飾っておきたい1枚です
(^^)/
by はくちゃん (2010-11-13 09:34)
素晴らしいですね!
知識と器用と情熱でしょうか?
それにしても駅員3さんの睡眠時間って…?
by 空楽 (2010-11-13 11:22)
すごい!
だいたい何リットルくらい塗料を使うのでしょうか?
まず、場所があるのがすごい!
by 月光14th (2010-11-13 12:09)
逆光がすごくカッコいいシルエットだなぁ
by ハイマン (2010-11-13 12:24)
「カンボジアで状態のいいものを見つけて持ってきた」修復技術も半端じゃないですね。これぞナイス!
by mwainfo (2010-11-13 14:06)
この世界・・・詳しくないのですが、
その拘りようは伝わってきます。
ところで、錆で固着したねじは5-56で取れたのですか?。?
by me-co (2010-11-13 16:19)
奥深い世界ですなぁ・・・
by くまら (2010-11-13 18:08)
ずっと何のシルエット?と思っていたので、謎が解けました!
それにしても、器用ですね。
仕様の違いを興味深く拝読致しました(^O^)/
by 優花風音 (2010-11-13 19:59)
1/1の模型?まで作っていたとは・・・・・・・(^^)
by たく (2010-11-13 20:06)
機能ありき
強いですね。
by そらへい (2010-11-13 20:45)
そういえばM151については自衛隊車両と同じく、フレームを溶断してスクラップにして払い下げていたのですよね。サスの欠陥で転倒しやすいとかなんとかで。もったいない話です。MBやM38よりも車両価格も部品代も高価だったのではないですか?
by げろろ空曹長 (2010-11-13 22:32)
なるほど。。
ジープは入手も維持も大変なんですね。存じませんでした。
トレーラー、色も形もジープにとてもよくあっています。
by Azumino_Kaku (2010-11-13 22:40)
追伸:思い出してみるとCCV誌にM151のインプレッションってありましたっけ?記憶にないですが…大塚康生氏のMVJでは読みましたが。
by げろろ空曹長 (2010-11-13 22:46)
いつも訪問ありがとうございます^^
by shige (2010-11-13 23:23)
なんとも奥が深いお話ですな。
by Fuel (2010-11-14 10:12)
カンボジアから持って帰るとは、行動力に脱帽デス(^。^)
by さといも野郎 (2010-11-14 20:44)
ご自分でレストアされると愛着もさらに湧くのでしょうね。
by schnitzer (2010-11-14 22:29)
すごい!
手作りのカーゴトレーラーなんですね!
それもジープに合わせて水の中でも牽引できるように工夫までしてある。
さすが駅員3さんです、実際に使用できるようにして作られたのですね^^
by Loby (2010-11-14 23:15)
素敵なシルエットですね
夢を載せ夢を引っ張れる気がしました。
by SILENT (2010-11-15 07:56)