東京の坂と橋 112 間の坂 玉川上水を歩く第4回 (玉川上水8) [東京の坂と橋]
名前 | ふりがな | 別名 | 所在地 | 北緯 | 東経 | 全長 | 高低差 |
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間の坂 | あいのさか | 沢の坂・間坂 | 羽村市 | 北緯35度41分秒 | 東経139度44分秒 | 420m | 18m |
羽村取水堰から、阿蘇神社を経由して散策中に見つけた坂だ。
どこからどこまでか始点と終点がはっきりしなかったので、この坂の最高地点と最低地点を結ぶと全長430mと次の地図のようになる。
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この坂の奥多摩街道との交差点の信号についている名前と、道についている街道の名前では、間坂を『まざか』と読ませている。
しかし、羽村市教育委員会の設置した坂の標識では、『間の坂』と表記されていて、『あいのさか』と読ませている。
その標識によれば、この坂の由来は、この地一体を治めた中世の豪族三田氏と、小宮氏の領地の境にあったため、『あいのさか』と呼ばれ、時が下ると『まざか』と呼ばれるようになったという。
この坂を上りきった付近の地名は、昔は『天竺』と呼ばれていたが、現在では『天竺運動公園』という名前を残すのみである。
また、この坂は別名『沢の坂』とよばれ、坂の石垣からは清水がコンコンと湧き出し、沢蟹やイモリ、ドジョウなどがたくさん取れたという。
次の写真は、坂下の南側から奥多摩街道との交差点を見たところ。
奥多摩街道から北に上る道を『間坂街道』と名づけられている。
画面中央の先を緩やかに右カーブで登っていくが、その先が『天竺』である。
奥多摩街道から、南の坂下を望んだところ。坂道は、正面突き当りから左に曲がって下っていく。
突き当りを右に折れると、一峰院にいたる。
【大正土手と一本杉】
実際にこの近辺を回ったのは、地図にある番号の順である。
羽村取水堰から多摩川の土手を上流へと上っていく。
次の写真は、左手が多摩川、右手が羽村市水上公園(プール)である。
この土手をしばらく歩くと・・・
多摩川の土手下に石碑と、大きな一本の杉の木があって、その脇に羽村市教育委員会の設置した標識が出ている。
この土手から東側は、羽村市内で唯一の水田地帯である。
明治期に二度にわたる洪水で、水田が水没するなど甚大な被害が出たことから、1913年(大正2年)に当時の東京市が多摩川の護岸工事に着手し、1923年(大正12年)にここの護岸工事を完成させたことから、大正土手と呼ばれている。
一本杉は、それ以前から存在し、対岸の丸山から狐火が飛んできたという伝説も残っているそうである。
【三田墓・ホタルの里・阿蘇神社】
さらに上流に上ってくと、阿蘇神社南参道の鳥居にたどり着く。
その鳥居をくぐりさらに進んでいくと、右側に古い石塔が見えてくる。
これが、『三田雅楽乃助平将定』の墓である。
左右の五輪塔は砂岩製で、様式などから江戸初期のものと推定されている。
中央の宝筺印塔は江戸時代中期の様式を残している。
これらは、地元の豪族で一峰院を開いた三田雅楽之助平将定の墓所といわれている。
左端の八幡祠は、将定の霊を祭ったもので、右端の石塔は、一種の水神と考えられている。
さらに進むと、多摩川の清水を引いて、S字を描くように導水しているところがある。
これは、ゲンジボタルの養殖をしているところだ。
さらに進むと阿蘇人神社の社殿に着く。
石積みの階段を登っていくと、社殿前にはかがり火が炊かれていて、たくさんの参拝客でごった返していた。
・・・といっても本殿にたどり着くのにたくさん並んで、〇〇分待ちという都心の神社とは大違いだ。
上の写真をご覧頂くと、右側に巫女さんがお二人いらっしゃるが、正月三が日は御神酒をいただける。
私も、参拝した後美味しくいただいた。
【一峰院】
龍珠山一峰院は、阿蘇神社から程近いところに臨済宗建長寺派の寺で、1424年(応永31年)に三田雅楽之助平将定の開基とされている。
寺の入り口に立つのは、鐘楼門で、1819年(文政2年)の建築といわれている。
羽村の取水堰が大雨などで万が一の時は、この鐘楼が鳴らされ、近在の男達が堰に集まったという。
この鐘楼門は非常に特徴的で、山門としての楼門(二階に腰縁を持つ形式)と、鐘楼を兼ね備えている点である。
また、一間門でありながら、真ん中と左右に合計3枚の扉を持つ点や、すべての柱に角柱を用いているところが珍しい。
お正月であったため、近在の方々が初詣にこられていて、絵馬を描く姿が見受けられた。
ここら辺は、鎌倉幕府の影響下にあった地元豪族の三田氏が、寺社の寄進に積極的であったせいか、臨済宗建長寺派の寺院が多い。
・・・つづく
おはようございます。
阿蘇人神社、いいですね。
by すー (2010-01-11 05:47)
いつもながらの素晴らしい情報・・・・。
水上公園のプールに反応したのは、私だけかしら~??
by swm104 (2010-01-11 08:25)
由緒ある神社ですね。
長閑な感じが、東京の光景とは思えませんね。
by manamana (2010-01-11 10:36)
こんにちは~
子供の頃の冬休み
って感じで拝見させていただきました
by gardenwalker (2010-01-11 10:50)
すぐ隣の滝山街道はよく通るのですが、この辺りは不案内です
鐘楼と山門が一緒なのは時折見ますね
珍しいそうですが
by pace (2010-01-11 12:32)
冬の陽だまりハイクでこの付近を通るのですが
知らない所ばかり。。改めて羽村っていい所だなと
再認識いたしました。
by 風の子 (2010-01-11 12:33)
阿蘇神社ってあるんですね。
by 空楽 (2010-01-11 14:06)
東京都内とは思えないような、のどかな風景が続くんですね。
by takechan (2010-01-11 14:39)
なかなか荘厳な神社ですね。
羽村市というと、確かウチの車と出会った中古車屋さんの町だったような。。
by さといも野郎 (2010-01-11 16:41)
ホントいつもながらに素晴らしい情報・・・
まさにnice!でございます♪
by お茶屋 (2010-01-11 18:20)
一峰院、行ってみたいです。
by 長森建設 (2010-01-12 11:51)
私達のところと
あまり変わらないような
のどかな風景が展開されてますね。
by 空兵ーS (2010-01-12 22:07)
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ご訪問と、niceありがとうございます。
⇒すーさん
はい、この神社、質素で慎ましやかで歴史があって・・・とてもいいところでした。
⇒swm104さん
ありがとうございます。さすがプールには目がないですね(^^)
⇒manamanaさん
はい、とても東京都といっても信じてもらえないような光景が続きますね。
⇒gardenwalkerさん
ありがとうございます。
私自身子供に返って散策を楽しみました(^^)
⇒paceさん
そうでしたか。
あらためて、羽村の由緒ある歴史に感動しています。
⇒風の子さん
ほー、バイクでのツーリング良いですね。
車では感じられないものを五感で感じ取ることが出来て、新しい発見なんかもありますね。
⇒空楽さん
あ、熊本在の空楽さんには『阿蘇神社』が気になるところですね。
記事には、縁起とか祭神のことを落としてしまいましたね(^^;
⇒takechanさん
はい、本当にこの豊かな自然と、歴史が東京とは思えません。
⇒さといも野郎さん
おー、そうでしたか。
街道沿いに結構中古車屋さん多いですもんね(^^)
⇒お茶屋さん
ありがとうございます。楽しんでいただければ幸いです。
⇒長森建設さん
是非機会を見つけていかれると良いと思います(^^)/
⇒空兵-Sさん
そうですね、「ここが東京か!」というくらい、自然が豊かです。
by 駅員3 (2010-01-13 07:36)
蛍を養殖しているのですか。
夏はさぞや綺麗でしょうね、、
私も世田谷の岡本民家園で蛍を
見て感動しました、、
by kiyotime (2010-01-17 16:20)
tooshibaさん、ケイさん、youziさん、kiyotimeさん、こんばんは。
ご訪問と、niceありがとうございます。
⇒kiyotimeさん
そうですね。
夏に観にいってみたいですね。
一昨年の夏、自宅の駐車場に蛍が飛んできて驚かされました。
昔は高幡界隈にもたくさんいたようです。
by 駅員3 (2010-01-17 23:46)