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日章旗 [ボーイスカウト]

国旗2.jpg
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日本の国旗と、国歌は、1999年(平成11年)8月13日に公布、施行された『国旗及び国歌に関する法律』により、定められました。
同法は非常に短く、全文二条、附則三項、別記二からなっています。

日の丸.jpg第1条 国旗は、日章旗とする。
第2条 国歌は、君が代とする。
附則 施行期日の指定、商船規則(明治3年太政官布告第57号)の廃止、商船規則による旧形式の日章旗の経過措置。
別記 日章旗の具体的な形状、君が代の歌詞・楽曲。

国旗国歌法の別記で定められた日章旗の形状はつぎのとおりです。
縦横比を2対3、旗の中心(対角線の交点)を中心とし、縦の長さの5分の3を直径(縦を2とした場合r=0.6)とした円(日章、日輪)を描きます。
日章の赤は法律では「紅色」となっており、JIS慣用色名ではマンセル色体系で 3R 4/14 です。

日章旗の由来は、実に『続日本紀』にまでさかのぼります。
続日本紀に「文武天皇大宝元年正月朔日御太極殿受朝時―左日象青竜朱雀之幡」と記されていて、のぼりに日像が描かれたものがあったようです。

時は下り、14世紀に入ると『太平記』に、「帝、笠置山に錦の御旗を建つ、其の制日月の像を銀にてうちつけたり」と出ています。
ここに出てくる帝は後醍醐天皇のことで、奈良県吉野郡賀名生の堀家には、このときの日の丸の旗と伝えられている旗が現在にまで保存されています。

その後、江戸時代末期になって、外国船が来航するようになると、徳川幕府は正式な国の標識旗の必要に迫られ、島津斉彬が現在のような日章旗の原案を作り、1854年(安政元年)7月に、日本の船の総船印として各大名に布告されました。
『日本総船印之件』には、「大船製造ニ付テハ異国船ニ不紛様、日本総船印ハ白地日之丸記幟相用候様被仰出候(日本でも大きな船が出来るようになったので、外国船と間違わないように日本の船印は、白地に日の丸を記したのぼりをつけるよう仰せ出された)」と記されています。

明治に入り、冒頭の国旗及び国歌に関する法律の附則に出てくる『明治3年1月27日太政官布告第57号』で、近代的な法形式を持って定められました。
その布告の別紙で、大旗、中旗、小旗の寸法が明示されていて、この国旗を掲げないと海賊船とみなされました。
此処で定められている「御国旗」の規格は、現行とは若干異なり、縦横比は7対10、日章は旗の中心から旗竿側に横の長さの100分の1ずれた位置とされていました。

以後日章旗が国旗として取り扱われるようになりましたが、その根拠は明治の太政官布告のままであったため、戦前二度ほど国旗としての法律を制定しようと、提案されました。しかしながら、いずれも審議未了などの理由から成立しませんでした。

終戦後、GHQにより日章旗の掲揚は禁止されましたが、1949年(昭和24年)1月、マッカーサーの年頭所感で次のように述べられました。
「この国旗が、人類が等しく探し求めてきた、正義と自由の変わらない観念に基づいた平和の象徴として、永遠に世界の前にひるがえらんことを望み、・・・(中略)・・・日本国民の一人一人を奮い立たせる輝く導きの光としてひるがえってゆくことを心から念願する。」(マッカーサー覚書)
以降、日章旗を自由に掲揚できるようになりました。

さて、ここで国旗としての要件について述べてみたいと思います。
国旗は、「国旗を掲げる」という意図を持って掲揚されたときに、はじめて国の象徴として敬愛の対象となります。
そのためには、国旗の他、ポールまたはマスト、冠頭の三つがそろって初めて正規の国旗となります。

よくスポーツ大会で国旗の周りを数人が地面と水平に持って行進する姿が見受けられますが、国旗としては未完のままで、このような運び方は、好ましい扱いとはいえません。
また、室内に掲揚するとき、壁に貼りつけたり、天井から吊り下げたりするのも、ポールや冠頭が無いため、正式な掲揚とはなりません。

さらに、国旗の掲揚法で慶祝を示す場合は、冠頭に旗布の上部が接するようにあげなければなりません。
冠頭から離して掲揚すると、弔意を表すものとなります。
万が一冠頭がないと、慶祝を表しているのか、弔意を表しているのか見分けが付かなくなってしまうため、冠頭は必須なのです。

国旗を掲揚するときに注意すべきことは、常に最上位に掲揚しなければならないということです。
門や玄関に国旗を掲揚するときは、外から門などに向かって左側に国旗を掲揚します。
外国旗と日章旗を一緒に日本であげる場合は、日本本土内では、日本国旗を上位にかかげす。特別にその外国旗に敬意を表する場合は、その外国旗を上位に掲揚することもあります。

国旗は、自分達の国の理想や歴史、国体を象徴し、国民が生活していくうえでの理念や目標を表すものであるということは、昨日の記事に述べたとおりです。
国旗は、その国の独立と主権が存在することを表し、その国を代表するものであることから、自分の家族を愛するように、自分の国を愛するように、国旗を敬愛すべきものです。
また、外国の国旗にたいしても、同様に敬意を表さなければなりません。
(以上、ボーイスカウト日本連盟刊「日本の国旗」を参考にさせて頂きました)

 

国旗.jpg

タグ:国旗 日章旗
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コメント 15

yuki999

日本の国旗、僕はとても気に入ってます。
by yuki999 (2009-11-27 05:30) 

BPノスタルジックカーショー

おはようございます。

国旗とは?
小さな時から教えないといけないですね。
by BPノスタルジックカーショー (2009-11-27 05:31) 

emu310

日の丸の比率と位置は数十年前に知りました。
学校で、なんにも気にしないで描かされたのが不満でした。
他にもいろいろな決まりがあったんですね(当然でしょうが)
とても、よい勉強になりました。
by emu310 (2009-11-27 07:59) 

お茶屋

その昔、カブ&ボーイスカウトのときに、
しっかりと教わった記憶があります☆
by お茶屋 (2009-11-27 09:35) 

mykaira

そろそろうちの息子も駅員3さんに弟子入りさせる日が近付いてきました。(^^)
by mykaira (2009-11-27 10:00) 

mwainfo

「自分の家族を愛するように、自分の国を愛するように、国旗を敬愛すべきものです」、日章旗、納得の記事です。こうありたいですね。
by mwainfo (2009-11-27 10:43) 

tooshiba

10年前の法律で決まっていたのに、うだうだ反対を唱える教師には困ったものだと思っていました。
彼らが、国旗国歌に反対する輩のニュースを見るたびに、「だったら代わりになりそうなものを提案してみろ」と思っていましたが。
それすら必要ないということですね。キリリッ
by tooshiba (2009-11-27 12:36) 

空楽

主人が次男に、国旗の比率はとよく聞いてました。
次男もボーイまで頑張ったんですが・・・
by 空楽 (2009-11-27 14:46) 

くまら

今更ながら、勉強になりました^^

by くまら (2009-11-27 14:59) 

水郷楽人

オリンピックなどで日本国旗が掲揚されるとやはり感動します。
by 水郷楽人 (2009-11-27 17:42) 

しおつ

自衛隊時代、一度だけ市ヶ谷駐屯地の国旗掲揚担当しました。
国歌に合わせ、曲が終わると同時に一番上に来るように調整するのは
かなり緊張しました。
by しおつ (2009-11-27 22:15) 

gen

今晩は。
できれば次回はスカウトの国旗の掲げ方&国旗のたたみ方を記事にしていただきたいと思っています。
酔っ払っているのでわがままいってすみません。
by gen (2009-11-28 00:26) 

さといも野郎

正しい由来と意味を知る、大変勉強になりましたm(__)m
by さといも野郎 (2009-11-28 12:05) 

SILENT

国旗を掲げる
日本国内にある米軍基地で星条旗の掲揚の際
胸に手を当て掲揚する人々の姿を見て感動しました。
国家と国旗
国や家族のあり方を教えてくれます
昨年のトルコ旅行では、どこの町にも大きく翻る赤のトルコ国旗を見て人々と国旗の繋がりを思いました。
日章旗の歴史
わかりました
ありがとうございます
日章旗イコール戦争と
繋がっている国日本と
教育について
強い力を感じてしまいます
日の丸は 美しい ですね
ipodに 世界の国旗を入れていて
時々楽しんでみています
そう
世界には沢山の旗がある
国内でも地方の旗がある
多様な人々の誇りの旗があっていい
長く書きすぎました
ごめんなさい
by SILENT (2009-11-29 06:51) 

kiyotime

とにかく我々はこの国の国民です。
国旗と国歌に敬意を持つのは当然の事だと思います。
スポーツなどの国際大会で国歌とともに掲揚される
国旗はとても誇らしいです。

by kiyotime (2009-12-01 00:41) 

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