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東京の坂と橋 四方山話10・・・文京区にゆかりのある文豪、歌人 [東京の坂と橋]

文京区は江戸時代には昌平坂学問所がおかれ、多くの文人が居を構えて暮らした。
古くは松尾芭蕉が1677年から3年間、椿山荘近くの関口2丁目に暮らした。
滝沢馬琴は、文京区をはじめその周辺の飯田町、神田明神近くに暮らし、墓は小日向4丁目の深光寺にある。

明治に入ると坪内逍遥にはじまり、森鴎外、夏目漱石、石川啄木、樋口一葉、宮沢賢治と枚挙に暇がない。

坪内逍遥.jpg森鴎外.jpg夏目漱石.jpg石川啄木.jpg樋口一葉.jpg宮沢賢治.jpg

文京区のホームページの中に、文京区に縁のある文人、歌人等を集めた一覧があるので、詳しくはそちらをご覧いただきたい。
 ⇒文京ゆかりの人物

文京区は文教の地にふさわしく、旧所、名跡あとには立派な案内板が立っている。
また、『本郷文学散歩』という散歩道があり、数ヶ所に案内板も出ている。
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この散歩道は、神田小川町から菊坂下まで2.9kmを、旧跡を訪ねながら歩くことができる。
数多い文豪の中から、本郷台地に縁のある文豪をピックアップしてみた。
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真砂坂上から北に入った炭団坂の上り口付近にあった坪内逍遥の旧宅前には、このような案内板がたっている。
菊坂裏通りから人がすれ違うのもためらうような路地を入ると、樋口一葉の旧居跡がある。
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この井戸の水を樋口一葉も飲んだのだろか?
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地図には記していないが、都営地下鉄三田線春日駅の北には樋口一葉の終焉の地があり、
そこには、記念碑が建っている。
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石川啄木が下宿していたのは、この床屋さんの家である。
残念ながら、春日通り拡張の際に改築された後、取り壊され明治村に移築された。
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また、近くの旅館『太栄館』の前にはこのような記念碑が立っていた。
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石川啄木は「東海の小島の磯の白砂に我泣き濡れて蟹とたわむる」と歌ったのがこの大栄館(当時は蓋平館といった)である。
ここの石碑に刻まれている「東海の小島の磯の白砂に 我れ泣き濡れて蟹とたわむる」は、小説を新聞社に売り込みに行って失敗し、挫折感に打ちのめされて下宿の三畳間で詠んだという逸話が残っている。

 
宮沢賢治が下宿していたのが、正面の建物のある位置である。
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菊坂の中ほどにある、菊坂裏通りに下りる枝道の奥に下宿があった。
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夏目漱石旧居跡は漱石が下宿する前は森鴎外が住んでいたこともある。
夏目漱石は、イギリス留学を終えて帰国した際、ここに居を構え、第一高等学校、
東京帝国大学の講師を務める傍ら、『吾輩は猫である』をはじめ数々の物語を著した。
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ここで、『吾輩は猫である』を著したことから、『猫の家』とも呼ばれていた。
この石碑の題字は川端康成によるものである。
この時代の文人、歌人達は様々な親交があったようだ。
国文学者である金田一京助は、私財を売り払って石川啄木を支援したり、与謝野鉄幹に連れられて石川啄木は森鴎外の観潮楼歌会に出席している。
また、石川啄木は入院中の夏目漱石を見舞ったり、夏目漱石が石川啄木の葬儀の世話をしたりしている。 
この本郷台地を歩いていると、面白いものがたくさんある。
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これは木造3階建ての下宿である。
さて、文京区の坂を語るための枕はこの程度にとどめ、いよいよ次回以降坂の話しに取り掛かりたい。

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お茶屋

ラストの下宿の一枚、貫禄抜群ですね^^!
by お茶屋 (2009-01-03 09:57) 

mykaira

新年明けましておめでとうございます。
新しい年が幸せで健康な日々を過ごせますように・・・。
今年も宜しくお願いします。

東京、ゆっくりと散策してみたくなりました。
私は広島出身ですが、主人が関東なので東京を案内してくれることがありますが、主人も下町や江戸散歩道という本など読んでるのを見たことがあるので散策好きみたい。帰省したときは訪れてみたいです。
by mykaira (2009-01-03 18:56) 

pace

あけましておめでとうございます
その坂を多くの文人たちが通り
同じところで足跡を重ねるのは不思議な感動ですね
by pace (2009-01-03 19:48) 

デザイン屋

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
by デザイン屋 (2009-01-03 21:49) 

kotarobs

ぴーすけさん、お茶屋さん、Cyoroshiさん、mykairaさん、paceさん、デザイン屋さんこんばんは
ご訪問とniceありがとうございます。

⇒お茶屋さん
これすごいですよね!!
ちょうど西日が差してえもいわれぬ雰囲気を漂わせていました。
実はこの近くに江戸時代の足軽長屋が数年前まで存在していて、住んでいる人たちがいたなんて、もっとびっくり!!

⇒mykairaさん
おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
そうです、ぜひ江戸を楽しんでみてください。

⇒paceさん
おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
そうですね、私の魂は昭和、大正、明治、江戸時代とさかのぼっていってしまいそうです(^^;

⇒デザイン屋さん
おめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。


by kotarobs (2009-01-03 23:42) 

さといも野郎

これが現在の東京の風景とは驚きです!
by さといも野郎 (2009-01-04 21:58) 

kotarobs

さといも野郎さん、おはようございます。
niceとコメントありがとうございます。
そうですね、意外と文京区は古いものが点在しています。
ただ、残念ながら戦災で焼けてしまったものも多く、今残っているものは、出来る限り残していきたいですね。
by kotarobs (2009-01-05 08:14) 

kiyotime

いやあ、お札率の高い面々ですな。
最後の下宿は圧巻ですね。
まだ住んでる人がいそうだし、、、
by kiyotime (2009-01-08 23:52) 

kotarobs

kiyotimeさんおはようございます。
niceとコメントありがとうございます。
ははは、お札率は確かにそうですね。
気がつきませんでした(^^;
この下宿はバリバリの現役です!
by kotarobs (2009-01-09 08:07) 

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