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東京の坂と橋 四方山話64 花魁渕(おいらんぶち) とある日の昼食 [東京の坂と橋]

怪談等が苦手な方は写真だけ見て読み飛ばし、後半の『うな重』のお話しをご覧ください(^^)

柳沢峠に続く青梅街道の南側に黒川鶏冠山(標高1,710m)があるが、その山裾に黒川金山跡がある。
戦国時代、この辺りは『黒川千軒』と呼ばれていた。
黒川金山は、武田信虎時代に採鉱が始まり、武田信玄の頃に最盛期を迎え、武田軍の軍用金の多くはこの黒川金山から産出されたものだという。
武田勝頼の時代に閉山された。
その後徳川時代になって、大久保長安らによって再び採掘が行われたが、採掘量が減少しまもなく閉山となった。
黒川千軒には、当時の坑道跡、坑夫の住居跡、作業場の跡などが見られる。
この界隈には黒川金山の他、竜喰金山、牛王院金山などの跡がある。

ここ花魁渕は地元の人たちからは『銚子滝』と呼ばれている。
黒川千軒に働く坑夫慰安のために遊郭が設けられていたが、武田家が滅亡して金山を閉山される折、金山の秘密を守るため五十五人いた遊女たちを、口封じのため殺してしまった。
この柳沢川に宴台を造って遊女たちをその上で舞わせ、宴台を吊っていた藤弦を切って宴台ごと渕に沈めてしまったのだ。下流の丹波山村に流れ着いた遊女たちを、村人は引き上げてお堂を建てて供養したと伝えられている。
(塩山市(現甲州市)教育委員会の説明から抜粋)

花魁渕を訪れた日は、数日前に降った雪が道一杯に積もっていた。

21おいらん淵.jpg

なぜか花魁渕は、昼もなお薄暗く陽が当たることはない。

22おいらん淵.jpg

以前ここに立てられていた塩山市観光協会の説明を記した看板は撤去されてしまっていて、慰霊塔のみが残されている。

23おいらん淵.jpg

慰霊塔に呼ばれるように近づくと、静寂を破って聴こえてくるのは、自分の息をする音と、水の砕け散る音のみだ。
早速慰霊塔に手を合わせ、犠牲となった遊女はじめ諸霊の供養をさせていただく。

24おいらん淵.jpg

渕の様子をよく見ようと、渕にせり出した岩に足をかけた。
岩には雪が降り積もっていて、どこからが雪庇か判らず足元を確かめながら恐る恐る足を踏み出す。
岩は雪で滑りやすく足元がおぼつかない。一歩間違えれば、花魁と同じ運命だ。

岩の先まできて渕を覗き込むと、まるで白装束を纏った様に川の水は凍りつき、幾筋もの氷柱を作っていた。

25おいらん淵.jpg

その凍りついた氷柱の脇を轟音を立てて水が流れていく。
あらゆるものを拭い去るかのように・・・

一説によると、花魁が投げ込まれたのはもう少し上流のコリョウ滝付近で、ここは遺体が流れ着いた場所だとも言われている。


場所が場所だけに、ちょっと暗い話題になってしまい、大変申し訳ありませんでした。
ここでお口直しに、とある日の昼食をご紹介しましょう。

先日乗鞍からの帰り道、岡谷市内を走っていると、普通の一軒屋の前を通り過ぎた瞬間同乗者から、「あっ、あの民家は実は有名な鰻屋さんだ!」との話しがあり、Uターンして家の前にあった駐車場に車を止めて玄関をガラガっとあけると、「いらっしゃいませ!」との声が中から聞こえてきました。

玄関を上がって部屋に通されると、ごく普通の畳敷きの広間に座卓がいくつか並んでいます。
早速注文すると出てくるまでにしばらく時間が・・・そう、注文を受けてから鰻を捌いて焼いているのです!!

しばらく待ってやっと出てきたのがこれ。

1うな重.jpg

んん、なんか重が二段重ねになっている・・・

冷奴、肝吸い、白菜の漬物がついてきました。

 

 

 

 

 

2うな重.jpg

まず蓋を取ると・・・

えっ、鰻の蒲焼しか入ってませんっっ

 

 

 

 

 

3うな重.jpg

鰻の蒲焼の重を取ると・・・

えっ、白いご飯・・・

じゃあタレはどうなるの????

 

 

 

 

4うな重.jpg白いご飯を掻き分けると、ななな、なななんと、白いご飯に埋もれた鰻の蒲焼が出てきたではありませんか!!

うな重一人前に、鰻一匹を使った超豪華でボリュームたっぷりのうな重でした。

鰻は口に運ぶとしっかり油がのっていて、口の中で噛まなくてもとろけてしまいそうなやわらかさです。

タレはやや甘めですが、鰻にベストマッチング。
ご飯もおいしく、白いご飯の下にはタレがしっかりかかっていて、申し分ありません。

大満足の一品でした(^^)

お店の名前は・・・おっとしまったっっっ
忘れてしまいました・・・というより店の看板出てたかな・・・


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motosoft

寒々とした光景の後に、豪華なうな重が、ほっとします。
要するに、下の重は、うなぎが、ご飯にサンドイッチされているんですね。
上の重のうなぎは、おかずにしてもよし、下の重のご飯にのせて、Wサンドうなぎにしてもよし、という趣向でしょうか。
食べ方はどうあれ、豪華です。
by motosoft (2013-02-17 00:29) 

銀狼

本題よりも最後のウナギに見惚れてしまいました;^_^A
by 銀狼 (2013-02-17 00:40) 

くまら

うなぎくいたーーい
でも・・・くえなーーい・・・orz
by くまら (2013-02-17 00:42) 

ちょいのり

慰霊塔・・・雰囲気ありますね^^;
あの狭く高い淵を覗き込んだ後にもう一度冒頭のお話を思い返すと
とてもやるせない気持ちになりますです・・・^^;
by ちょいのり (2013-02-17 01:01) 

yuuri37

ダメ眠れなくなりそう・・・
うなぎが食べたいよう(⌒-⌒; )ボリュウムがあって美味しそう。
by yuuri37 (2013-02-17 01:56) 

いっぷく

お重のご飯が多いなあと思ったら
そういうことだったのですね。
蒲焼き単独と、ご飯に挟むのと
2度楽しめるなんて実に贅沢で気持ちいいですね。
by いっぷく (2013-02-17 03:54) 

沈丁花

「おい!帰ったよ!」・・・「あら!お帰りなさい!」・・・「今〜仕度しますね〜(^。^)って」・・・
そんな雰囲気を想像させる感じ・・・ですね。
美味しく〜嬉しい鰻のお食事〜・・・\(^O^)/
鰻食べたく成りました・・・(*^^)v
by 沈丁花 (2013-02-17 04:19) 

すー

おはようございます

前の部分の話が全部飛び、うな重のみ・・・
これは贅沢なうな重ですね。食べ~たい!
by すー (2013-02-17 04:37) 

獏

悲しいお話が残っているのですね。。。
しかし豪華なうな重!!(@@)
ウナギ 随分ご無沙汰していますなぁ~(涙)

by 獏 (2013-02-17 04:43) 

pandan

ウナギに見とれます^
おいしそう。
by pandan (2013-02-17 05:15) 

YUTAじい

おはようございます。
先人の歴史・秘密が・・・堪能されました。
鰻も十分堪能され云う事なしですね、今日も寒くなりそうです。
by YUTAじい (2013-02-17 05:24) 

さる1号

おぉ、ご飯の中から現れる鰻が素敵ですねぇ
上の重のかば焼きで白飯を食べ、中から現れた鰻とその下のタレが染みたご飯を楽しむ
う~ん、そそられますねぇ^^
by さる1号 (2013-02-17 06:40) 

久慈川鮎

臆病につき怖い四方山話を飛ばして~
あまりにも豪華な鰻の二段重、これは美味いはずだ~!!
by 久慈川鮎 (2013-02-17 07:04) 

風太郎

花魁渕は今でも色々な怪談話が絶えませんね。
自分はココに行くとどうしても頭痛が。。。
凄い鰻!!!
私はとても好きですが、家族がみんな嫌いで・・・
お気に入りのお店があったのですが、ご主人他界されてしまいました。
もう1度食べたいなぁ
by 風太郎 (2013-02-17 07:09) 

七不思議

おはよう御座います。
まさかの上段鰻のみ^^;
うな重って見たことないのですが、こんな感じなのでしょうか???
by 七不思議 (2013-02-17 07:46) 

ソニックマイヅル

これは素晴らしいです!うなぎの宝の発見ですね!絶対に食べたいです。\(^o^)/
by ソニックマイヅル (2013-02-17 08:06) 

ikamasa

おう、すごいですね。うな重が雪の中から出てきた。
by ikamasa (2013-02-17 08:20) 

なんだかなぁ〜。横 濱男です。

何故、説明を記した看板は撤去されたのでしょうかね。
予算の関係でしょうかね。。。

by なんだかなぁ〜。横 濱男です。 (2013-02-17 08:51) 

hatumi30331

悲しい話し・・・
迫力ある写真の後に
鰻・・・ほっとします。^^
by hatumi30331 (2013-02-17 09:09) 

ねこじたん

最近 時代劇をみるので
こいうお話 ほんとにあったんだなって うなずいちゃいました
うな丼 豪華ですね〜
by ねこじたん (2013-02-17 10:09) 

gen

鰻は寒い時期のほうが脂がのっていて旨いって聞いたことがあります。
美味しそうだ。
by gen (2013-02-17 10:31) 

ナビパ

ズーミングがお話の流れに効果抜群ですね。
氷柱がまた良い感じの雰囲気を醸し出しています。d(^_^o)
by ナビパ (2013-02-17 10:47) 

風来鶏

駅員3さん、遂に撮ってしまいましたね^^;)
凍りついた川の写真の中に、無数の“恨めしそうな顔”が見えますよ(><)

公害防止管理者認定講習の件、正式に決まりましたので宜しくお願い致します。
なお、2日目の12日(火)は16:40に終了予定となっています。
by 風来鶏 (2013-02-17 10:59) 

旅爺さん

こんな奥深い山の中で遊女たちはどう思いながら舞い、そして死んでいったんでしょうね。
by 旅爺さん (2013-02-17 11:10) 

まー坊

変わったうな重ですね。
でもボリューム満点で旨そう^^
ご心配をおかけしました。
まだ本調子ではないので、暫くはカレー屋さんへ行けそうにありません^^;
by まー坊 (2013-02-17 11:43) 

下総弾正くま

あれ、花魁渕のあたりって斜面崩壊で廃道化されちゃったんじゃ…(・_・;)
それにしてもうな重は…(´¬`)
教授、よろしくお願いします(-_-)ニヤリ
by 下総弾正くま (2013-02-17 13:07) 

海を渡る

こんにちは。
鰻ももう食べられなくなるのかと心配です^^。
by 海を渡る (2013-02-17 13:29) 

(。・_・。)2k

うなぎ 良いですね~
しばらく食べてないな~


by (。・_・。)2k (2013-02-17 14:09) 

Jetstream777

この花魁渕の悲話は、昨年黒川金鶏山の登った時知りました。
金山も花魁渕もパスしましたが、次回は丹波山のほうから訪れてみたいと思います。
by Jetstream777 (2013-02-17 16:22) 

caterham_7

寒い中で、ボリュームのある「うな重」
たまりませんねー
by caterham_7 (2013-02-17 17:24) 

さといも野郎

なんと、白いご飯の中から鰻とは、うれしい掟破りですね~(^^

by さといも野郎 (2013-02-17 18:02) 

そらへい

うな重、めったに食べられませんが
読んでいるだけで涎が出そうでした。
by そらへい (2013-02-17 19:13) 

侘び助

こんばんはお越し頂きnice!有難うございました。
何時の世も悲しいお話が有りますね。

by 侘び助 (2013-02-17 20:14) 

ゆうくん

悲しい話ですね、でもウナギが食べてた~い。

by ゆうくん (2013-02-17 21:20) 

夏炉冬扇

今晩は。
南無阿弥陀仏。
by 夏炉冬扇 (2013-02-17 21:32) 

めぎ

鰻の写真をたどっていたら、上の部分のお話をすっかり忘れてしまいました。
by めぎ (2013-02-17 22:20) 

nano

この手の逸話は全国に多いですが
実話も多い分、悲しみも怖さも・・・・
by nano (2013-02-17 23:27) 

schnitzer

ご飯の中にウナギ…ちょっと得した気分になりますね(笑)
by schnitzer (2013-02-18 22:54) 

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