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東京の坂と橋 88、89、90、91、92・・・市三坂、不動坂、丹波谷坂、寄席坂、なだれ坂 [東京の坂と橋]

今日は六本木にある坂を紹介したい。
以前、饂飩坂(No.71)、芋洗坂(No.72)、閻魔坂(No.73)を取り上げたが、そられの坂のようにインパクトのあるものではなく、面白いネタも発掘できなかったことから、今回は数で勝負[わーい(嬉しい顔)][exclamation×2]
⇒饂飩坂、芋洗い坂はこちらをご覧ください。
⇒閻魔坂はこちらをご覧ください。
一気に5つの坂を取り上げてみた。

名前ふりがな別名所在地北緯東経全長高低差
市三坂いちみざか港区六本木3、4丁目北緯35度39分50秒東経139度44分02秒300m12m
不動坂ふどうざか港区六本木3丁目北緯35度39分46秒東経139度44分08秒102m6m
丹波谷坂たんばだにざか港区六本木3丁目北緯35度39分47秒東経139度44分08秒102m9m
寄席坂よせざか港区六本木3丁目北緯35度39分51秒東経139度44分10秒215m10m
なだれ坂なだれざか幸国坂港区六本木3丁目北緯35度39分52秒東経139度44分13秒230m12m

今回取り上げる坂は以下の地図の赤い吹き出しで記した坂だ。
以前取り上げた坂は青い吹き出しで記した。

六本木現在.jpg

六本木明治.jpg

《市三坂》
六本木通りが、明治二十年代に開かれたときに出来た坂である。
名主の名がついた市兵衛町と松平三河守忠直邸のあった三河町との間で両頭文字をとった。

次の写真は、坂下から、坂上の六本木交差点方向をのぞんだところ。

DVC00188.JPG

DVC00184.JPGDVC00183.JPG

この坂にも1968年(昭和43年)まで都電6系統が走っていた。

⇒都電の写真はこちらをご覧いただくと最後の2枚が、ここ市三坂の写真になっている 

6系統は、渋谷を出ると六本木⇒溜池⇒虎ノ門⇒新橋⇒汐留まで走っていた。

坂の頂上に位置する六本木交差点には、つぎのような可愛らしいブロンズが設置されている。

DVC00180.JPG

『奏でる乙女』と題されたブロンズ像で、作者は本郷 新。
六本木商店会が、第一回六本木祭の開催を記念して設置されたが毀損著しく、1975年(昭和50年)に二代目として作られたものだ。

《丹波谷坂》
元和年間旗本岡部丹波守の屋敷ができ、坂下を丹波谷といった。明治初期この坂を開き、谷の名から坂の名称とした。
次の写真は、坂下から、坂上を望んだところ。

DVC00207.JPG

次の写真は、坂の上の通りから、坂への入り口付近。

DVC00197.JPG

《不動坂》
以前紹介した閻魔坂の東に位置する坂です。坂の標識はない。
坂の途中に不動院があったことから、『不動坂』と名づけられた。

DVC00202.JPG

その不動院も六本木という場所柄か、ビルになっている。
山門・・・入り口を入ると、歴史を感じさせる不動明王が出迎えてくれる。

DVC00200.JPGDVC00201.JPG

次の写真は、坂の上から、坂下を望んだところ。

DVC00198.JPG

《寄席坂》
坂の途中の北側に明治から大正三年にかけて福井亭という寄席があったために、寄席坂と呼ばれるようになった。

DVC00165.JPG坂の途中に竹林に囲まれた割烹篁(たかむら)がある。
門を入ると、笹が生い茂る石畳には、水が打ってある。
和服姿の女将に案内され石畳の小路を抜けると、古色蒼然とした古民家が現れる。
ここが六本木とは信じられない異空間だ。
玄関を入り、個室に通されると、囲炉裏には、すでに鍋がかかっていて、料理の準備は出来ている。
私の稼ぎでは、とてもお邪魔できるようなところではない。

DVC00159.JPG

 

 

《なだれ坂》
流華・奈大礼・長華などとも書いたようである。幸国(寺)坂、市兵衛坂の別名もあったようだが、かつてはあった坂の標識も今は無く、詳細はわからなかった。
かつての標識には、「土崩れがあったから(ついた名前)だろうか」とあった。

次の写真の左は、六本木通りからなだれ坂をのぞんだところ。
右の写真は、六本木通りから入って、右にカーブしたところから坂の上をのぞんだところ。

DVC00189.JPGDVC00190.JPG

次の写真は、坂の入り口から、しばらくは、なだらかに下るが、六本木通りにでる最後の部分の勾配が急になっている。

DVC00196.JPG

《おまけ》
六本木の地名の由来は、以前にも述べたが、二つある。
1.六本の松がこの地にあったから
2.青木氏、一柳氏、上杉氏、片桐氏、朽木氏、高木氏と『木』の名前の付く大名屋敷がこの地にあったから
という説である。

「六本木」の地名は江戸時代からみられ、今の六本木交差点付近の門前町であったようだ。

六本木江戸.jpg


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コメント 16

水郷楽人

地名の由来を調べていくと面白いですね。大名など歴史に関する地名もあれば、災害に関する地名もあって防災にも役に立ちますね。
by 水郷楽人 (2009-07-16 06:29) 

yuki999

六本木の地名の由来ですか。
おもしろいですね。
by yuki999 (2009-07-16 06:41) 

駅員3

すーさん、水郷楽人さん、yukii999さん、いわもっちさん、おはようございます。
ご訪問と、niceありがとうございます。

⇒水郷楽人さん
なるほど、災害に関する地名ですね。
参考になりました。
東京の都心部では、次々に旧町名が消えていくのは寂しいものです。
でも、文京区は、さすが「文京」の都市だけあって、昭和40年代まで使われていた旧町名を由来を記して、あちこちに掲示されています。
こういう風にしてくれると、いつまでもその土地の伝承などが伝わっていきますね。

⇒yuki999さん
地名は、何かしらを語ってくれますね(^^)

by 駅員3 (2009-07-16 07:55) 

CASCO事業部 J

市三坂 > 六本木の、あの坂に名前が付いているなんて・・・
私が前の会社で自動車通勤時に毎日通っていました。
 朝だと、この上り坂渋滞するんです。マニュアル車のマイカーだとちょっぴり辛いんですよね~

by CASCO事業部 J (2009-07-16 08:59) 

お茶屋

六本木は普段あまり行かないので・・・
すっごい勉強になりました!
by お茶屋 (2009-07-16 10:07) 

ラブ

お〜、またいろいろな坂が…。本当に、坂だらけですね。
六本木って、六本、木があったんでしょうか…。
地名も考えると、いろいろおもしろいですね。
by ラブ (2009-07-16 11:31) 

ラブ

あっ、おまけに書いてあった。失礼しましたw
by ラブ (2009-07-16 11:32) 

空楽

お百度石って、ここでお百度するのですかね?
by 空楽 (2009-07-16 12:05) 

ナカムラ

六本木、本当に坂が多い街ですよね。でも、坂がある街のほうが好きです。できれば遠くに海がみえて・・・。
by ナカムラ (2009-07-16 12:37) 

emu310

函館は坂が名所になっていました。
ぜひ行かれるといいですよ。
きっと楽しめると思います。
by emu310 (2009-07-16 16:18) 

abika

六本木~坂が多いイメージはありましたが、…
こんなにたくさんあるんですね♪
↑北海道に住んでたことがあるんですが、函館も多いけど、
小樽も多かった気が…。歴史は東京の方が面白いかも…^^
by abika (2009-07-16 17:21) 

くまら

六本木。
5年は行って無いです><;
by くまら (2009-07-16 19:00) 

空兵ーS

六本木というと、文化の最先端を行く人たちが
集まるところのように感じていましたが、
その昔、寄席があったんですね。
やはり昔から文化芸能に関係した土地柄だったんですね。
by 空兵ーS (2009-07-16 20:25) 

ばん

六本木は懐かしいです、二年位ライブをやっていましたので。
by ばん (2009-07-16 22:31) 

hukayoi

東京の坂は興味をそそられます。
何せ、数があるので廻りがいがありますよネ。
私も坂の写真を巡っていて、この六本木のギターを弾く女性を見たことがあります。懐かしいな~!

by hukayoi (2009-07-17 06:16) 

駅員3

CASCO事業部さん、genさん、夢空さん、はくちゃんさん、Yukiさん、@ミックさん、お茶屋さん、enosanさん、shinさん、nyancoさん、八丁堀さん、ラブさん、swm104さん、空楽さん、xml_xslさん、ナカムラさん、paceさん、HALさん、ガンバルおやじさん、takemoviesさん、emu310さん、abikaさん、Cyoroshiさん、qoo2qooさん、リンさん、くまらさん、kskouzikさん、空兵-Sさん、きゅんぱちさん、甘党大王さん、ばんさん、小父蔵さん、さといも野郎さん、hukayoiさん、おはようございます。
ご訪問と、niceありがとうございます。

⇒CASCO事業部さん
そうでしたか。意外とあの坂きついですよね。

⇒お茶屋さん
六本木も一歩裏通りにはいると、下町風情の残っているところもあり、なかなかいいところです。

⇒ラブさん
はい、ありがとうございます(^^)
大阪にも六本木と似たような街はあるのでしょうか?

⇒空楽さん
そうですね。
きっと江戸時代は、もっと境内が広く、このお百度石もお百度参りのときに活用されたのでしょうね。

⇒ナカムラさん
ひょっとすると、ここら辺の高いところからは、東京湾・・・いやいや江戸湾が遠望できたかもしれませんね。

⇒emu310さん
ありがとうございます。
時間がとれるようになったら、東北から北海道までのんびりjeepで旅したいと考えています。

⇒abikaさん
そうですか。
私は沖縄に住んだことがありますが、北海道は行ったことがありません。
ぜひ行ってみたいと思っています。

⇒くまらさん
ははは、そうですか。
でも六本木といっても私には楽しめる場所は『坂』くらい(^^;

⇒空兵-Sさん
ちょっと六本木に『寄席』があるというのは、以外ですよね。
でも確かに「芸能の街」と考えると、違和感はないのかな(^^)

⇒ばんさん
へ~、そうだったんですね。
それでは、角から角まで詳しくご存知ですね(^^)

⇒hukayoiさん
実は私は今回の取材で初めてギターを弾く少女の存在を知りました。
今まで何回もこの前を通っていたのに気がつかなかったとは、観察力がありませんね(^^;
by 駅員3 (2009-07-17 07:56) 

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