東京の坂と橋 148 悲しい坂・・・玉川上水を歩く23 (玉川上水を歩く第16回) [東京の坂と橋]
名前 | ふりがな | 別名 | 所在地 | 北緯 | 東経 | 全長 | 高低差 |
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悲しい坂 | かなしいさか | - | 府中市清水丘3丁目 | 北緯35度39分51秒 | 東経139度30分01秒 | 128m | 4m |
高低差については、グーグルアースの標高データと、上記地図(ルートラボ)の標高データとでは、大きく異なるが、実際の現地を歩いた感じでは、グーグルアースのほうが実際に近いため、高低差は、グーグルアースのデータを使った。
今日は久しぶりに、玉川上水関連の話題をお届けしよう。
玉川上水を歩く旅は、今年の1月に『牛浜橋』を紹介して以来止まったままになっている。
今回ご紹介する坂は、玉川上水から程遠い府中市にある坂なのだが、なんで玉川上水のシリーズとして紹介するのかは、その坂の名前に由来する。
この坂の由来は、玉川上水の工事とかかわりがあるといわれています。玉川上水は、はじめ府中の八幡下から掘り起こし、滝神社の上から東方へ向かい多磨霊園駅の所を経て神代あたりまで掘削して導水しましたが、この坂のあたりで地中に浸透してしまったといわれます。責任を問われて処刑された役人が「かなしい」と嘆いたことから、この名があるといわれます。
このときの堀は、今も「むだ掘」「新堀」「空堀」の名で残っています。 昭和60年3月 府中市
左の写真の右側に府中市の設置した石製の標識が見える。
坂は、写真中心部から上に上っていく。
杉本苑子著『玉川兄弟』では、この失敗により工事責任者を負った道奉行の伊奈半十郎忠治が責任を取って切腹するシーンが出てくるが、『玉川兄弟』の後書きで、「伊奈半十郎は病死かもしれない」と述べている。
松浦節著『伊奈半十郎上水記』では、二度水喰らい土(富士山の噴火した灰のつもった関東ローム層は、水はけがよく水を流すとどんどん浸透してしまうといわれている)に阻まれて工事に失敗。
この難工事の最中、玉川兄弟と現場で打ち合わせ中に伊奈半十郎は突然心臓を押さえるようにして倒れこみ、砂川の陣屋に運ばれた。一度は回復するものの、二度目の発作に襲われ62歳で病死したとされている。
史実によると、伊奈半十郎は1653年(承応2年)6月27に死亡し、道奉行は子息の伊奈半左衛門忠克に引き継がれたとされている。
平成に入り、東京競馬場脇(滝神社下)で道路工事中、玉川上水試掘跡の遺構が発掘されている。
滝神社については、別項を設けて取り上げたい。
何の変哲もない住宅街の小さな路地はS字カーブを描きながら上っていく。
次の写真は、坂の途中から、坂の入り口を眺めたところ。
突き当たりは、黒澤明監督の『羅生門』の舞台となった山門のある日蓮宗聖将山東郷寺である。
(東郷寺のことは次回に取り上げたい)
次の写真は、坂を上りきったあたりから振り返ったところだ。
ここら辺は、府中大国魂神社のお膝元のためか、あちこちにお社がある。
夕日がさして、とても印象的な白山神社だ。
ぶらぶら府中駅まで歩く途中には、こんなタバコ屋さんが現役だった。
看板娘・・・おばあさんはお元気か?!
京王線に沈む夕日が眩しかった。
本日は所用があり、残念ながらデジイチを持ち出すことが出来ず、コンデジでの撮影となった。
最後の一枚は、携帯電話SH-01Cによるものである。
このタバコ屋さんの佇まいがイイですね~^^
それにしても、最後の1枚が・・・
ケータイでこんなに綺麗に撮れるなんて!(驚)
by 銀狼 (2011-10-17 01:23)
自分も銀狼さんと同じくです。
最後のフォトにグッときちゃいましたですよ^^
by ちょいのり (2011-10-17 01:51)
スタート地点
は、調布に住んでいる頃、何度か通ったところです=なんだか懐かしい!
坂の由来=そんなことで責任取らされるなんて、ホント悲しいですわ。
by me-co (2011-10-17 01:54)
こんばんは。
地下に浸透して、処刑される・・・
確かに、悲しすぎます^^;
by perseus (2011-10-17 02:23)
おはようございます。
改めて駅員3さんの原点を感じました。
by YUTAじい (2011-10-17 05:10)
おはようございます。
本当に有るんですね!!
驚きました!!
by BPノスタルジックカーショー (2011-10-17 05:35)
坂道の写真もなんだか風情があっていいですね。
by pandan (2011-10-17 05:48)
小さな坂なのに
そんな由来があるのですね
by pace (2011-10-17 06:08)
なるほど。。。
身近な玉川上水にも色々と在りますね。
府中には昭和の景色が残ってますね!
by レイリー (2011-10-17 06:13)
自動販売機が並んだだけのお店も増えてしまいました。
それにしても仕事に失敗しても、
切腹する事が無い現代に生きていて、よかった。
by manamana (2011-10-17 06:20)
おはようございます
レトロなポストと最後の1枚が素敵ですね
夕陽に光る線路が綺麗ですね
by はくちゃん (2011-10-17 08:25)
こんな素敵なタバコ屋さんまだ現役なんですね^^
by くまら (2011-10-17 08:30)
昔も今も、大工事には色々なエピソードがありまあすね。
by Loby (2011-10-17 09:05)
SH-01Cは素直?それとも駅員3さんの腕が良い?
その両方だろうと思いますが、夕日の向こうまで伸びる京王線、良いですねえ。
マイ携帯のきんた(F-03A)は、対象物の光具合によって勝手に絞りをきつくしてしまうので、太陽とかはうまく撮れません。
すかさず「お前の腕がへぼいからだろw」とは、仰らないでしょうが。(Y_Y)
by tooshiba (2011-10-17 10:56)
そんな由来か゛あるんだぁ
でも、最後のショットが素敵で気分上々
by Ranger (2011-10-17 11:37)
歴史を追って歩く。クセになりそうです(^^)
by ドラもん (2011-10-17 15:26)
玉川上水は大工事の割りに比較的早く完工しているので、難工事は少なかった
と勝手に思っていましたが、やはり大変だったのですね。
たしか取水口の近くでも水がしみこんで大変な場所があった、と聞きます。
by ナツパパ (2011-10-17 17:35)
坂ひとつにしても色々複雑な話があるのですね。それを知って
通るのと知らないで通るのでは価値観が違いますね。
最後の写真、逆光の路線だけが眩しく輝いてとても遣る瀬無い気持ちになりました。
仕事の方は、ちょっと色々ありまして・・・近々退社をする事になりました。
なんか最近は仕事が定着しなくてね。
でもあきらめないで、あせらないで頑張ります(^^;)
一からやり直しですが、落ち着いた暁には是非ご一緒させてください。
by hukayoi (2011-10-17 22:11)
郵便ポストも、街角の煙草屋さんも
懐かしい風景ですね。
by そらへい (2011-10-18 21:23)
このタバコ屋さんとポストは有形文化財にしなくちゃ。
by sig (2011-10-19 00:42)