東京の坂と橋 四方山話81 江戸の町7 二足の草鞋を履く [東京の坂と橋]
今日は昨日の話題に関連付けて、『畳』について何故時代や地方によって大きさが違うのかなど、持論を展開しようと思っていたのですが、Falconさんからのコメントもあり、もう少し調べてからにさせていただきます。
過去のシリーズは、こちらのリンクからご覧ください。
タイトルにリンクを貼り付けています。
No | 日 付 | タイトル | サブタイトル |
---|---|---|---|
1 | 2012/04/07 | 江戸の町1 | 江戸の範囲 |
2 | 2012/04/12 | 江戸の町2 | 町人の暮らし向き1 庶民の生活 |
3 | 2012/04/28 | 江戸の町2 | 町人の暮らし向き2 江戸の休日 |
4 | 2012/05/05 | 江戸の町2 | 町人の暮らし向き3 江戸の物価 |
5 | 2014/01/28 | 江戸の町3 | 大江戸ごみ事情1 生ごみ・下肥リサイクル |
6 | 2014/01/30 | 江戸の町3 | 大江戸ごみ事情2 灰のリサイクル |
7 | 2014/01/31 | 江戸の町3 | 大江戸ごみ事情3 古紙のリサイクル |
8 | 2014/02/01 | 江戸の町3 | 大江戸ごみ事情4 古着のリサイクル |
9 | 2014/02/03 | 江戸の町4 | 清掃の歴史 |
10 | 2014/02/04 | 江戸の町5 | ゴミ事情・・・江戸から東京へ |
10 | 2014/02/06 | 江戸の町6 | 間取り・・・江戸から東京へ |
そこで今日は間に合わせにちょっとした話題を取り上げてみました。
『二足(二束)の草鞋(わらじ)を履く』という意味を正確にご存知でしょうか?
答えは後半でご説明しましょう。
『二足の草鞋を履く』という語源が、実は江戸時代にあったということを知る人は多くないことと思います。
江戸の町は、町奉行所や火付盗賊改方が警察機能を担っていました。
半七捕り物帖や銭形平次などの主人公は、岡っ引き(『目明し』、『御用聞き』、関西では『手先』、『口問』などとも呼ばれました)を家業としているように描かれていますが、実際は正規に任命を受けたものではなく、同心などが利用した『非公認の犯罪捜査協力者』、あるいは同心の『私兵』という位置づけでした。
(地方の領主によっては、岡っ引きを公認していたケースもありますが、江戸の町では、そういうことはありませんでした。)
岡っ引きは、江戸時代、武士である同心が犯罪捜査を行うには、裏社会に通じたものを使わなければ困難であったことから、軽犯罪者の罪を見逃してやる代わりに手先として使ったことが始まりといわれています。
博徒や的屋の親分が岡っ引きになることも多く、『博打打が岡っ引きとなって、博打打を取り締まる』という摩訶不思議なことが起こったところから、『二足の草鞋を履く』という言葉が生まれました。
通常両立しえない仕事、あるいは相反する仕事を掛け持つことをさして使われます。
ですから、昼は学校で教師として働き、夜は塾で講師として働く・・・これは同種、類似の業を兼ねることであり、『二足の草鞋を履く』とはいいません。
岡っ引きの報酬は、非公認であったことから奉行所などから支払われることはなく、仕えている同心から小遣い銭程度しか得ていなかったため、銭形平次のように『岡っ引き専業』となるものはいませんでした。
食うためには『強請り』や『恐喝』まがいの行為をして金を集めていた岡っ引きもいたことから、幕府はたびたび岡っ引きを使うことを禁じますが、実効は無かったようです。
よく時代劇で、お上から『十手を預かる』という下りが出てきますが、実際岡っ引きは常時十手を携帯していたわけではなく、奉行所が必要と認めたときに、その都度岡っ引きに貸し与えていたようです。
江戸時代の犯罪捜査は、自白中心で「冤罪が多かったのではないか!?」と心配する方も多いことと思いますが、冤罪が判明した場合の捜査担当者への処罰は非常に厳しいものがあったことから、実際は、非常に慎重に行われていたようです。
・・・つづく
こんばんは。
江戸についてここまで書ける人は、まず、いないと思います。
岡っ引き、江戸時代は、遠山金四郎が有名ですが、放蕩のワルが、町奉行であったのは珍しくなく、庶民の実情を知る上では重宝したようです。
確かに、今の時代ではあり得ない世界があったようですね(^-^)
by はせお (2014-02-07 01:02)
こんばんは。
たたみのことがUPされると思っていましたが・・・
若干ですが、たたみのことで知っていることをUPしておきますね。
ただ、専門的過ぎると分からないと思いますので、入口ぐらいの話しの内容にしておきます。
江戸時代の畳の話しは、おまかせします。
by Falcon (2014-02-07 01:02)
時代劇のイメージばかりが先行して、
実際は結構違うものなんですね^^
by ちょいのり (2014-02-07 01:27)
そう言えば時代劇も減りましたね(-"-;)
by nano (2014-02-07 03:23)
おはようございます
>類似の業を兼ねることであり、『二足の草鞋を履く』とはいいません。
そうか、と改めておもいました(^-^)
by すー (2014-02-07 04:23)
今も昔も根源のところでは大差ないのですね^^)☆
今日は週末の積雪に備えます~(@@;)))
by 獏 (2014-02-07 05:54)
おはようございます。
何か・・・江戸時代の方が合理的だった様な気がします。
明日は雪の予報・・・来週の好天祈ってます。
またメールさせて戴きます。
by YUTAじい (2014-02-07 06:04)
銭形平次は好きで良く見ていました。
あっ!ルパン三世の銭形も好きなキャラです。^^;
by ナビパ (2014-02-07 07:01)
じゃあ、二足の草鞋ってあんまりいい意味じゃなさそうですねぇ…(・_・;)
by 下総弾正くま (2014-02-07 07:01)
知らない世界が面白くて、時代劇大好き人間ですが〜(笑)
実際の所が解るのは尚楽しいです(にっこり♪)
楽しく拝見しております\(^O^)/
by 沈丁花 (2014-02-07 07:07)
お早うございます。
よく調べてありますね。
by 夏炉冬扇 (2014-02-07 07:21)
二足の草鞋を履くってそういう意味だったのですね
じゃぁいい意味にはならないのかな
冤罪が判明した場合の捜査担当者への処罰は非常に厳しいもの>>これは現代より優れている気が^^;
by さる1号 (2014-02-07 07:30)
おはようございます。
江戸時代と言えばどうしても時代劇を思い出してしまいますーー;
もちろんそれだけじゃなく色んな事があったんでしょうか^^;
なので とても参考になります♪
by バイオ (2014-02-07 07:30)
そうなんですね〜
ちゃんと厳しく調べていたのですね。
by pandan (2014-02-07 07:34)
現代でも似たようなことが時々起りますね。マル暴と暴力団の関係等・・
by takenoko (2014-02-07 07:34)
二足の草鞋を履く・・そういう意味だったのですね
確かに畳のサイズ、東京は小さいですね~
by viviane (2014-02-07 07:47)
「二束の草鞋を履く」の意味勉強になりました。
現代に通じるものがありますね。
by PENGUIN (2014-02-07 07:52)
岡っ引きは報酬がなかったのですか!
それでは悪を取り締まることは出来ませんね。
昔は自白が主ということは拷問などはなかったのでしょうか?
by yoko-minato (2014-02-07 08:01)
岡っ引き・・・・
銭形平次を思い出す私・・・・・
年や・・・(笑)
by hatumi30331 (2014-02-07 08:27)
おはようございます、時代劇は大好きで本も時代劇をよく読みますね。
テレビで楽しんでみていたのが大岡越前、長谷川平蔵(鬼平犯科帳)
この2作は大好きでしたね。
by 馬爺 (2014-02-07 09:04)
おはようございます。そういう意味があったんですね。勉強になりました。^^;
by ソニックマイヅル (2014-02-07 09:06)
おはようございます^^
二束の草鞋を履く・・・間違った使い方をしていました(><;
by mimimomo (2014-02-07 09:19)
先日は誕生日のお祝いコメントをありがとうございました★
またオフ会がしたいです~!(´・ω・`)
ねね
by 今造ROWINGTEAM (2014-02-07 10:13)
二足の草鞋を履く、今なら副業かと思ってたんですが
見方を改めました。
by いそいそ (2014-02-07 12:01)
僕は痛みに弱いので、拷問されそうになったら、
有る事無い事なんでも白状しちゃうと思います(*゚▽゚)ノ
by johncomeback (2014-02-07 13:26)
厚生労働省の麻薬取締官(司法警察職員)を思い出します。
おとり捜査もあり。
by yogawa隼 (2014-02-07 17:50)
二足のわらじ、そうゆうことでしたか!
相反する稼業というのがポイントですね。
昼は警官、夜は泥棒みたいな。勉強になりました!
by 昆野誠吾 (2014-02-07 18:53)
時代小説には、岡っ引きをおっしゃるように捉えた作品がありますね。
しかし、二足のわらじの語源が知りませんでした。
by そらへい (2014-02-07 21:03)
二足の草鞋を履く。。。
勉強になりました。。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2014-02-07 21:33)
時代劇とは全然違うんですねぇ(@_@;)
軽犯罪者が岡っ引きになるってことは、銭形平次も実は犯罪者だったと言う事ですよねぇ^^;
by ニッキー (2014-02-07 21:55)
お忙しい中、いつも弊ブログにお運びくださり、誠にありがとうございます。m(_ _)m
このたび、弊ブログの累計nice!4万5千個目を押していただきましたことに、心より御礼申し上げます。
日頃から駅員3さんの多方面でのご活躍や博識ぶりに敬服しきりですが、これからもお元気でご活躍されますことをお祈りいたします。
寒さ厳しい折、お体にはくれぐれもお気をつけください。
by tooshiba (2014-02-07 21:55)
銭形平次の誕生は、原作者の野村胡堂さんが窓から覗いた時に見えた、「銭形建設」の看板からでしたね(^^;)
by 風来鶏 (2014-02-07 22:24)
なんか,今の世にも通じるような・・・
昔から変わらないんですね
by 唐津っ子 (2014-02-07 23:51)
駅員3さんの江戸学の薀蓄は、面白いうえに本当にためになります。
昔、江戸時代の映像に関わったことがあるのですが、その時勉強したことは付け焼刃で、みんな忘れてしまいました。
by sig (2014-02-08 12:45)
こんばんは。
「二束の草鞋を履く」の意味が良く分かりました。
by 海を渡る (2014-02-08 20:17)