学生街の四季 第2章《夏》 16 三線(サンシン) [学生街の四季]
学生街の四季の過去のリンクは、次のページからご覧ください。
⇒1~22のリンクページ
⇒学生街の四季 第2章《夏》 1 ⇒学生街の四季 第2章《夏》 2
⇒学生街の四季 第2章《夏》 3 ⇒学生街の四季 第2章《夏》 4
⇒学生街の四季 第2章《夏》 5 ⇒学生街の四季 第2章《夏》 6
⇒学生街の四季 第2章《夏》 7 ⇒学生街の四季 第2章《夏》 8
⇒学生街の四季 第2章《夏》 9 ⇒学生街の四季 第2章《夏》 10
⇒学生街の四季 第2章《夏》 11 ⇒学生街の四季 第2章《夏》 12
⇒学生街の四季 第2章《夏》 13 ⇒学生街の四季 第2章《夏》 14
⇒学生街の四季 第2章《夏》 15
ステージが終わって楽屋を出ると、典子の父親が経営しているダイビングショップのワゴン車に乗り込んだ。
「渡邊先生と私も、今日から一週間お邪魔させてもらうよ。」
といいながら、渡邊先生と中村先生も乗り込んできた。
典子が運転してホテルの駐車場を出ると、一路宜野湾の宿にしている外人住宅へと向かった。
健作は、深々とシートに身を沈めると押し黙ったままで、カーラジオからは琉球民謡が流れている。
途中のスーパーでオリオンビール、泡盛、惣菜を買い揃えて帰宅した。
リビングの真ん中に置かれた四角いテーブルを囲むように絨毯の上に座ると、オリオンのプルトップを開けて乾杯した。
「ハナハナハナハナ~!」
テーブルの上には、海ブドウ、ミミガー、ジーマーミー豆腐、スーチカー、ヒラヤーチーが並んでいる。
「ノリちゃん、さっきガスレンジで焙ってたけど、これ何?」
智子は箸をのばして、皿の上の肉を取り上げると、恐る恐る口に運んだ。
「え~、これ美味しい!」
「トモちゃん、スーチカーね。これ、豚肉の塩漬けよ。
『スーチカー』の『スー』はお塩のこと。『チカー』は漬けるって言う意味かな。
豚ばら肉のブロックを島マース・・・沖縄で取れたミネラルタップのお塩に漬け込んで作るの。
ソーキソバにのせたり、チャンプルーに入れたり、このように焙って食べるのよ。
泡盛と相性は抜群!」
「どれどれ、私もいただいてみましょう。」
渡邊先生も手を伸ばして一切れ口に運んだ。
「おー、これはこれは! 豚肉の旨味が口の中から溢れそうだ。沖縄料理は、奥が深いねぇ。」
修はヒラヤーチーを手で一切れ取ると口に運んだ。
「えっ、なんだこれ、ピザかと思ったらお好み焼きみたいな味だね! これもなかなかいけるよ!」
「『ヒラ』は平らなという意味で、『ヤーチー』は焼いたっていうことです。
沖縄風お好み焼きって感じかな。食事っていうよりも、おやつで食べたりします。」
渡邊先生と中村先生を囲んで話は盛り上がっていったが、健作は心ここにあらず・・・という感じで、話には参加してこなかった。
「典子さん、あそこにおいてあるのはサンシンですか?」
中村先生は、立ち上がるとサイドボードの上においてあった布の包みを取り上げた。
「はい、私のサンシンです。」
「ほー、何か弾いていただけないかな?」
中村先生は、サンシンの包みを典子に渡した。
典子はサンシンを布の袋から出すと、調子を合わせた。
「それじゃあ、安里屋ユンタでもいきましょうか。」
典子がサンシンを奏で始めると、今までうつむいていた健作は突然顔をあげて、典子のサンシンを食い入るように見つめている。
演奏が終わると、健作は突然立ち上がった。
「これだっ!」
みんなは唖然として、健作の顔を見上げた。
もう『冬』を迎えて、もうすぐ新年を迎えようとしているのに、依然とこのお話は『夏』のままです。
ストーリーのエンディング・・・冬から春は見えているのですが、秋の展開がいまひとつイメージできずに、夏で引っ張っています。
細かく書き込みすぎているのは十分にわかっているのですが、沖縄のこととなると、どうしても力が入ってしまいます。
まぁ、僕の小説なんだから、僕の好きなように書けばいいのかな?
『夏』の章に今しばらくお付き合いいただけると幸いです。
Youtubeは、お気づきの方も多いことと思いますが、桑江知子さんです。
久しぶりに見た桑江さんの姿に、思わずこれをアップしてしまいました。
桑江知子!
懐かしいです~^^
by 銀狼 (2012-12-16 00:46)
おはようございます
小説の中にも心の葛藤がこもっているのですね!
by すー (2012-12-16 05:04)
沖縄〜〜行ってみたいです!
by 沈丁花 (2012-12-16 05:36)
先日の那覇の国際通りで
楽器屋さんに立ち寄ってしまいました。。。(^m^)☆
by 獏 (2012-12-16 06:35)
細かい描写、とってもいいです!
季節なんて関係ないですから、キッチリ書き込んでください!
すっごい沖縄に行きたいです。
by 風太郎 (2012-12-16 07:15)
お早うご゛さいます。
サンシン、いいです。
by 夏炉冬扇 (2012-12-16 08:44)
沖縄のライブの店で、もう一度オリオンビールで
乾杯をしたいです
by koh925 (2012-12-16 08:46)
サンシン弾いてみたいです。^^;
by ソニックマイヅル (2012-12-16 09:19)
駅員3さん、
サンシンの調べは素晴らしいでしょうが、
なによりも、スーチカーに惹かれました。
スーチカーの豚肉美味しそうで、食べたいです。
小説の中は、現実と時間的な繋がりはなくても大丈夫だと思います。
好きなペースで描いていただければ、また、場面転換で、
突然、別の時期から新章を書き始められても、良いと思います。
by kiyo (2012-12-16 10:10)
ゆったりとした音楽ですね(^o^)
津軽三味線の演奏は何度か聞いた事ありますが、沖縄のサンシンは生で聞いたことない…^^;
by 下総弾正くま (2012-12-16 11:00)
三線の音は不思議ですね~
耳に入ったとたんニヤニヤしてしまいます。
泡盛飲んで三線に聴き入る、いいですな(^^)
by ダミアン88 (2012-12-16 11:07)
沖縄の料理ってどれも美味しいですよねぇ^^
あまりお酒は飲めないので沖縄に行くと食道楽しちゃいます(^_^;)
by ニッキー (2012-12-16 11:54)
桑江知子は同年代で独身なので
全く何の根拠もないのに
もしかしたらこの人と結婚できるんじゃないかと
妄想していた時期がありました
by いっぷく (2012-12-16 13:25)
サンシンの音色素敵ですね~まだ沖縄に行ってない私ですが。
by katakiyo (2012-12-16 15:25)
サンシンの音色が素敵でしょうね。
桑江知子さん懐かしいですね。
by ナビパ (2012-12-16 17:03)
ハワイアンギターって、チューニングが普通のギターと全然違うけど、サンシンも三味線と全然違うのでしょうか。
by しばちゃん2cv (2012-12-16 17:54)
季節忘れてました。
沖縄はいつも夏のような気がして
沖縄の冬、想像付かないですね。
by そらへい (2012-12-16 20:54)
三線のリズム。遠くへ続く砂浜の風景を眺めながら風に吹かれて聞いてみたいと思います。沖縄の音。沖縄の色。
by orange (2012-12-16 23:04)
♪私のハートは~ストップモーション・・・懐かしいですね^^
♪サァ 田草取るなら 十六夜月よ サーユイユイ
満月の夜に出逢って 十六夜は二人で○○○ですね^^;)
by 風来鶏 (2012-12-16 23:19)