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ナイフの所持と携帯 [ナイフ]

昨日、今日とほとんど皆様方のところへの訪問が出来ていません。
皆様方の書かれた記事を拝見するのが楽しみなのですが、昨日、今日と来週行なわれる研修会の指導要綱つくりや、打ち合わせ、買出しなどで一日が終わってしまいました。

ようやく出口が見えてきたので、少しづつ再開させていただきます。

さて、先日ナイフのことを書いた際に、刀剣類の所持についてのご質問がありましたので、ここでちょっと法律を紐解いてみたいと思います。

まず最初に私の一番のお気に入りのナイフをご紹介しましょう。
以前にアップしたのと同じ画像です。

DVC00050.JPGDVC00052.JPGDVC00053.JPG

このナイフを持ち歩くことができるでしょうか? 

過去様々な刃物を使った犯罪が発生して刃物の携帯が議論され、法律による規制が強化されてきました。
つい先日も渋谷で護身用と称してカバンに持っていたサバイバルナイフで人を刺すという事件が発生しました。

刃物などを取り扱う上で規制を受ける法律が二つあります。
それは、銃砲刀剣類所持等取締法と軽犯罪法です。

◎銃砲刀剣類所持等取締法
同法では、刀剣と刃物を区別しています。
◆刀剣とは
  ・刃渡り15cm以上の刀
 ・刃渡り15cm以上の剣
 ・刃渡り15cm以上のやり
 ・刃渡り15cm以上の
なぎなた
 ・あいくち
 ・45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛び出しナイフ
 をいいます。以上に共通する点は、武器として作られたものだということですね。

◆刃物とは
  その用法において人を殺傷する性能を有し、鋼又はこれと同程度の物理的性能
 
(硬さ及び曲げに対する強さ)を有する材質でできている片刃又は両刃の器物で、
  刀剣類以外のもの
次に、刀剣、刃物について所持することと携帯することにつにいて分けて規定しています。

所持するとは
 そのものを自己の支配し得る状態に置くことをいい、単に所有することだけでなく、
 他人から預かった場合も該当
 

携帯するとは
 自宅又は居室以外の場所で刃物を手に持ち、あるいは身体に帯びる等して、
 これを直ちに使用し得る状態で身辺に置くことをいい、かつ、その状態が多少継続すること
以上の定義から、武器として作られ殺傷能力の高い刀剣は、その所持が禁止されています。

次に、刃物については、次のように規定されています。
【銃砲刀剣類所持等取締法第22条】
 
刃体の長さが6cmをこえる刃物については、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、これを携帯してはならない。」と定め、これに違反した場合は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金を設けています。
6cmを超えて次のものについては例外を設けています。
 ①はさみ・・・刃体(中心のとまっている部分から刃先まで)が8cm以下
 ②果物ナイフ・・・刃体が8cm以下、刃体の厚さが0.15cm以内
 ③切出しナイフ・・・刃体が7cm以下、刃体の幅が2cm以下、刃体の厚さが0.2cm以下

◆ここで言う業務とは
 社会生活上の地位に基づき、反復継続して刃物を使用することがその人にとって仕事であり、
 刃物を使うことが業務にあたる場合(例えば調理師が仕事場に行くため包丁をバッグに入れて
 持ち歩くなど)

◆正当な理由とは
 社会通念上正当な理由が存在する場合であり、例えば、店から刃物を購入して自宅に持ち帰る
 ような場合等
 繁華街等で「からまれると困るから
」などの理由で護身用に持ち歩くのは、正当な理由には
 当たりません
つまり、正当な理由があれば、6cm以上の刃物でも持ち歩いてよいこととなります。

ただし、『正当な理由』について、警察官から職務質問を受けた場合、その解釈に個人差がかなりあるといわれています。

◎軽犯罪法
それでは、6cm以下の刃物だったら携帯していいのでしょうか?
次に規制を受けるのが軽犯罪法です。

同法では凶器を隠し持つことを禁止しています。凶器とは、武器としての銃砲、刀剣の他、使用方法によっては人を殺傷することが出来る器具(はさみ、ツールナイフ等)も含まれます。
小さいからといって、ツールナイフやビクトリアノックスなどをアクセサリー感覚で持ち歩くことは、場合によっては軽犯罪法で取締りの対象となることがあります。

はさみやカッターなどの文房具でも正当な理由なくしてすぐ使える状態で携帯していると、取締りの対象となります。

冒頭でお見せしたナイフは刃体が6cmを超えていますので、正当な理由なくして携帯することは出来ません。
「ボーイスカウトの野外活動における野外工作に使うため」という理由であれば、カバンにしまうなどして携帯することは可能です。


タグ:ナイフ
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ちょいのり

包丁を持ち歩いたりする自分にとっては(コメント見てびっくらされるボクのことしらない人もいるかもしれないので断っておきますが板前さんです^^;)
お勉強になりましたです^^
ケースかダンボール紙で刃を包んで絶対に飛び出ないようにはしてますが、
普通に考えると怖いですよね。刃物の持ち歩きって^^;

by ちょいのり (2012-06-04 01:49) 

銀狼

私は普段は持ち歩く必要はないのですが、
参考になりました。
それにしても、本当に都会は物騒です・・・
by 銀狼 (2012-06-04 02:15) 

すー

おはようございます

最近、ナイフに絡んだ事件も多いことから注意が必要でしょね。
by すー (2012-06-04 04:36) 

YUTAじい

おはようございます。
・・・調理師の包丁は多く持ち歩かれてと思います、嫌なご時世です。
by YUTAじい (2012-06-04 05:40) 

pandan

持ち歩く機会が普通の人にはないですね、
いろいろ参考になりました。

by pandan (2012-06-04 06:11) 

koh925

おはようございます
うっかり、見過ごさせた中に、駅員3さんお興味深い・・石段の坂道
大山道の道碑があります、宜しければご覧ください
http://koh925.blog.so-net.ne.jp/2012-06-01-1

http://koh925.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09-1
by koh925 (2012-06-04 08:15) 

くまら

なるほどです
しみじみ読ませていただきました&勉強になりました^^
by くまら (2012-06-04 09:15) 

kiyo

駅員3さん、
流石、詳細な知見をお持ちでいらっしゃると感心するばかりです。
やはり、刃物と刀剣は区別されるのですね。
最近、刃物による無差別事件が縦続いて、いろいろな刃物が規制されていると思いましたが、
そういう風に区別され、また、職質などでも、取り締まられたりするわけなんですね。
都会においては、刃物を持ち歩くと、自分が間違いをしでかしてしまうだけでなくて、
奪われて、第3者を傷つけることに利用されてしまう可能性も大きいですね。

それから、素朴な疑問ですが、刃物の持ち歩きの規制でも、これだけ厳しいですが、
刀剣の場合の、移動(携帯)は、どういった場合に、許可されるのでしょうか?
引越しとか、美術館、博物館へ貸し出したり、刀剣師へ磨ぎに出すときくらいでしょうか?
それにしても、通常の運送では拒絶されると思いますから、専用の配送を頼むか、
自分で持参するしかないのでしょうか?

考えてみると、長命な刀剣って、美術品としても、物凄く価値があって、数百万から、
数千万円の価値があって、しかも、危険物ですよね。
現金輸送車クラスで護送しても、いいのかもしれませんね。

by kiyo (2012-06-04 10:30) 

お茶屋

なるほど、改めて勉強になりました!
by お茶屋 (2012-06-04 11:02) 

海を渡る

よく分かりました^^。
by 海を渡る (2012-06-04 12:13) 

風来鶏

私のナイフも刃渡りが9cmありますので、正当な理由なくして持ち歩くことは出来ません。
今では禁煙区域が広がって、街中で“歩きながらの煙草”は見掛けなくなりましたが、火のついた煙草を持ち歩くのも、刃物以上に危険です。
本人に、人を傷つけるかも知れないという意識が無い分・・・(><)
by 風来鶏 (2012-06-04 12:39) 

夏炉冬扇

今日は。
子供のころはポケットに肥後守でしたがねぇ…
by 夏炉冬扇 (2012-06-04 14:26) 

ナビパ

いろいろ定義が難しく複雑ですね。
刃先の輝きには魅了されますが安全あってなのでしょうね。
by ナビパ (2012-06-04 18:29) 

美美

釣りに持っていくナイフも気をつけないといけないんですね^^;
by 美美 (2012-06-04 18:42) 

そらへい

危ないと思える物は、極力持ちあるかないように気をつけてます。
by そらへい (2012-06-04 20:41) 

haku

全く、物騒な世の中になってしまって、
善良な人が持ち歩くのも大変になりましたね...

by haku (2012-06-04 21:20) 

DEBDYLAN

キーホルダー代わりに小さいアーミーナイフを持ち歩いてます^^;
大丈夫か調べてみます。

by DEBDYLAN (2012-06-04 21:59) 

しおつ

以前に比べると余計なトラブルにならないように
気を使うようになりました。
いまはビクトリノックスの小型のものしか
持ち歩かなくなりました。
by しおつ (2012-06-04 22:24) 

Azumino_Kaku

こんばんは。
分かりやすい基準があるのですね。
先日の事件は驚きました。
拙宅から東横線の日吉方面に行くときは副都心線を使っていましたので。

by Azumino_Kaku (2012-06-04 22:26) 

馬爺

昔は殆どの男子が持っていましたのが折りたたみ式の肥後ナイフこれ伝樋つや工作をやりましたが人を傷つけた者はいなかったですね、やはり世の中すさんできているんですね。
今も持っておりますが刃渡り8.5㎝刃幅1.5㎝です、今も時々研いで工作に使っております。
by 馬爺 (2012-06-04 22:28) 

下総弾正くま

車の中にツールナイフを置いてますが…大丈夫かな(・_・;)
いや、それよりも仕事柄、常時カッターナイフを腰に…^^;
by 下総弾正くま (2012-06-04 22:39) 

tooshiba

つい先日も、東京メトロ副都心線渋谷駅で殺人未遂事件がありました。
法律がどうであれ、刃物は容易に手に入れることができますし、抜き身で振り回してでもいなければ、持ち歩いていても咎められずに済むかもしれません。

アメリカで銃規制が進まない理由は(「銃メーカーがロビー活動をしているから」はおいといても)、「自分の身は自分で守る。そのためには武装しないといけない」という発想が、西部劇とかそれ以前からの習慣として残っているからだと思います。

翻って我が国は、豊臣秀吉の刀狩、明治政府の廃刀令、先の大戦での敗戦等を経て、“一般市民”は丸腰が当たり前になりました。(やの方たちは特殊市民ということで・・・)

長年の為政者により築かれた“文化”はそう簡単に変わるとは思えませんが、丸腰なりの対策を講じる必要がありそうです。
・・・危ない目に遭いそうになったら、一目散に逃げるために、日頃からランニングするとか。笑
(下手に格闘して制圧しようと試みて失敗したり、もみあっている際のはずみで刺されて痛い思いをしたり、最悪殺されてしまったら、元も子もないですからね。)
by tooshiba (2012-06-04 23:29) 

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