東京の坂と橋62・・・多摩蘭坂 [東京の坂と橋]
名前 | ふりがな | 別名 | 所在地 | 北緯 | 東経 | 全長 | 高低差 |
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多摩蘭坂 | たまらんざか | たまらん坂 | 国分寺市内藤1丁目 国立市東3丁目 | 北緯35度41分40秒 | 東経139度27分24秒 | 300m | 7m |
国立駅を降りて、南口から東南に向かう旭通りを数百メートル進むと、「東二丁目」交差点で、道は東へと折れ、上り坂となる。
次の写真は、国立方面からやってきて坂を上り始めたところ。
(jeepに乗って走るとこんな目線だ。)
逆行で判りづらいが、正面は一橋大学の建物が見えている。
この坂は、東京商科大学(現一橋大学)の学生が国分寺駅から自転車通学していて、この坂を通るとき、坂がきつくて「たまらん、たまらん」と口走ったことが始まりという説がWikipediaなどで紹介されているが、国立駅が開業したのは、1926年(大正15年)のことで、東京商科大学が国立に移転して開学するのは、1927年(昭和2年)のことであり、この説では時系列があわない。
そこで、さらに調べると面白いことがわかった。
中央線の近距離区間の終点は現在は「高尾」であるが、昭和初期は「国分寺」だったのだ。
国立駅で下車するには、山梨方面へ行く汽車に乗らなければならない。
汽車に乗り遅れると、近距離区間の省線電車(後の「国電」、JRになってからは「E電」と名づけられたが定着しなかった)で国分寺駅まできて、歩くことになったようだ。
昭和初期のここは、赤土むき出しの坂道で、今よりもっと急であったと言う。
晴れの日はいいが、ひとたび雨が降ると、道はぐちゃぐちゃになり坂道でつるつる滑ったそうだ。
東京商科大学が国立に校舎の建設が始めたのは、1924年(大正13年)頃のことのようだ。
1923年(大正12年)年9月1日の関東大震災により、神田一ツ橋にあった木造の校舎は全壊・半壊するなど甚大な被害を被って、北多摩郡谷保村(現国立市)への移転を決めた。
箱根土地(現プリンスホテル)の堤康次郎は、ここ国立に学園都市を作るために、現在の国立駅南口の開発に着手した。
国立駅南口から三方に伸びる道は、当時の計画に基づくものである。
(箱根土地の宣伝用絵葉書より)
箱根土地は、大学(東京商科大学)や、住民を誘致するために、1926年(大正15年)に国立駅を作って、当時の鉄道省に寄付した。
つい最近まで、開業当時の駅舎でJRは営業してきたが、残念ながら2006年(平成17年)末には取り壊された。
解体した資材は国立市が保管しており、再建が望まれる。
忌野清志郎はかつてこの『多摩蘭坂』近くに下宿したことがあり、この曲を作って有名となった。
『たまらん坂』に『多摩蘭坂』という当て字を考えたのは、忌野清志郎だという説もある。
ファンがこの地を訪れると、玉石で作られた石垣に様々な落書き・・・いや寄せ書きをしていくようになったが、残念ながらマンション建設とともに取り壊され、様々な寄せ書きされた玉石は希望者に配られた。
坂の由来については、先ほどのべたように東京商科大学の学生の通学にまつわる話しであるが、黒井千次氏の「武蔵野短編集」に『たまらん坂』というものがあり、学生の通学説の他、次のような説を紹介している。
ある晴れ上がった秋の日、長い袴をはいいた音楽学校の女生徒達が、坂を登って来るとコスモスの前に足を停めた。やがて彼女達は花を摘み始めた。秋の日射しの中に群がり咲くコスモスの可憐な色がそれを摘む人々の顔に照り映えて、女生徒達の姿を一層美しいものにせずにはおかなかった。
部屋にいたY氏等学生は、花に手を伸ばす彼女達の姿を息を殺して見つめていた。暫くして、花を手に溢れさせた女生徒達は国分寺の方へ歩み去って行った。その時、宿舎の一角から突然叫びが上った。「わしゃ、もう、たまらん」と。剣道の選手で仲間うちの一番の年輩者の声だった。
「『たまらん』という言葉、それは、青春の感情の極限を表現するものだったのかもしれない」とY氏は綴っている。その後、「たまらん」という言葉は仲間の合言葉のようになり、学校からの帰途、この坂にさしかかる度に、そこを登って来る女生徒達の姿を思い起し、「もう、たまらん」と叫んだという。
そこで、この坂に「たまらん坂」と名をつけよう、と話がまとまり、そのままではあまり趣きがないので土地から「多摩」をとり、北大の校歌から鈴蘭の「蘭」をとって「多摩蘭坂」と命名した。Y氏等は厳かにその名を宣言し、切り開かれた両側の赤土の壁に大きな字で「多摩蘭坂」と刻み込んだ、というのである。
主人公が「たまらん坂」の由来を調べるため国立市の図書館へ行くと、東京商科大学の学生の古い文集を発見して、その中に坂の由来が記されていたという内容である。
現在、京王バスの路線バス「国立駅⇔府中駅(国03系統)」の『多摩蘭坂』バス停が、坂の頂上付近にある。
お名前が変わりましたね!
どなたかと思いました。^^
関西人なので、「たまらん」が面白い名前です。v(*'-^*)
by Yuki (2009-04-12 23:05)
お名前、変わりましたよね!
びっくりしました^^;
by お茶屋 (2009-04-13 00:19)
「たまらん」・・という響きがいいです!(^^)!
by 夢空 (2009-04-13 06:13)
おはようございます。
このあたりは、まったく土地勘がございません。。。
勉強になりました。 (^^;
by いわもっち (2009-04-13 06:26)
くれぐれも、運転しながらの写真撮影は気を付けてくださいね。
信号待ちなら大丈夫?!
しかし、なんとも面白い名前の坂ですね。
by たく (2009-04-13 21:02)
改名、おめでとうございます。
いい名だと思いますよ。
by yuki999 (2009-04-13 21:36)
残念
2501目のniceになってしまいました。
by 空兵ーS (2009-04-13 22:07)
本当だ、ナイアガラ仕様の名前に改名ですね(^^
それにしても、たまらん坂、おもしろいです!
by さといも野郎 (2009-04-14 00:07)
単騎さん、Yukixさん、お茶屋さん、kskouzikさん、Krauseさん、ガンバルおやじさん、夢空さん、いわもっちさん、今造ROWINGさん、たくさん、yuki999さん、空兵-Sさん、くらいふさん、さといも野郎さん、hankyu8200さん、おはようございます。
ご訪問とniceありがとうございます。
⇒Yukiさん
ははは、失礼しました。
そうですね、「たまらん」は関西弁ですかね(^^)
⇒お茶屋さん
失礼しました。なんか付けた後で、もう少し気の聞いた名前にすればよかったと公開しています(^^;
⇒夢空さん
なんか、この学生達の名づけた由来も青春の甘くすっぱい思いがこもっていて夢がありますよね。
⇒いわもっちさん
東京は広いので、まだまだ楽しいところがあると思います。
見つけたらアップしていきます(^^)
⇒たくさん
ありがとうございます。
もちろん、停車中の写真です(^^)/
⇒yuki999さん
ありがとうございます。
実は、付けたあとからちょっと後悔してたりして(^^;;
⇒空兵-Sさん
本当だ!!
気がつきませんでした。
3000目にはまた、カードでも作りたいと思います(^^)/
⇒さといも野郎さん
ありがとうございます。
私も昨年、ある方のブログを拝見するまで知りませんでした(^^)
by 駅員3 (2009-04-14 07:56)
こんにちは。
ワタシ国立に住んでまして、歌の存在は知ってましたが
歌は初めて聞きました。良い曲ですね。
坂の名前の由来も詳しく伺えて嬉しかったです(^_^)
by ホシ (2009-04-14 19:15)
whitesoxさん、ホシさん、pianoさん、gardenwalkerさん、おはようございます。
ご訪問とniceありがとうございます。
⇒ホシさん
そうでしたか。ありがとうございます。
またのご訪問お待ちしております。
by 駅員3 (2009-04-15 07:45)
おお、ここは何度か訪れた事が有ります、、
というか訪問記をアップしたこともあり、何かと
思い入れのある地です。
多摩蘭坂で聴く清志郎の「多摩蘭坂」は感動だろうな、、
by kiyotime (2009-04-15 22:27)
水郷楽人さん、kiyotimeさんこんばんは
ご訪問とniceありがとうございます。
⇒kiyotimeさん
そうですね、kiyotimeさんの記事は読ませていただきました。
「あの石垣」が無くなってしまったのは、ちょっと残念ですね。
写真に収められなかったのも残念です。
by 駅員3 (2009-04-15 23:44)